革製品は経年変化(エイジング)といって、使い込んでいくと色が変わったり柔らかくなったりと独自の変化を遂げます。
その経年変化も元々の色や原材料である革によって、変化の仕方が様々です。
例えば赤色の財布であればワイン色に変わりますし、青色系の財布であれば黒っぽく変化します。
せっかくこれから革財布を買うならどんな色、どんな革、どこのブランドがどういう風に経年変化するのか知っておいて損はないと思います。
そこでこの記事では革財布がどんな経変変化をするのか、まずは色ごとや革ごとについて紹介していきます。
記事の後半ではおすすめの革財布のブランドについても紹介しているので、参考にしてください。
経年変化とは
革財布の経年変化とは使いこんでいくうちに色や形、手触りが変化していくことです。
先ほどお話したように青系の色が黒っぽくなったり、手触りが柔らかくなって手になじみやすくなったりします。
特に植物タンニン鞣しという加工方法の財布は経年変化しやすいです。
使う人によって様々な変化を起こすので、まさに使い込めば使い込むほど一点物になる現象だと言えるでしょう。
この経年変化は色や革によっても様々な表情があります。
次の章からは代表的な革財布の色がどのような色に変化するのか紹介します。
色ごとに革財布の経年変化をご紹介
ここでは4つの色についてどのような経年変化を遂げるのか、写真付きで紹介していきます。
ただ1つ注意が必要なのが使用状況によっては、必ずしも紹介した色にはならないことです。
革財布の日焼けの度合い、メンテナンス状況によって色は多少なりとも変わるのであくまでも一例としてご覧ください。
白ヌメの財布の経年変化
白ヌメとは染色されていない白色の革のことです。
エイジング後は下記の画像のようなキャメル色になります。
染色されていない分、色が飛びにくく綺麗に色が変わっていきます。
緑色の財布の経年変化
緑色の革は濃い緑になります。
物によっては最終的にブラウンになるのも緑色の特徴です。
赤色の財布の経年変化
赤色はエイジングすると、ワイン色になります。
使い込むとオイルが表面を覆い、艶が出てきます。
青系の財布の経年変化
青系は他の色とは少し異なり、緑や黒っぽい色になります。
緑と黒どちらの色になるのかは実際にエイジングしてみないとわかりません。
ここまで紹介した色の中でも少し特殊なので、慎重に選ぶ必要があります。
革財布の経年変化におすすめの革
次に経年変化を楽しむのにおすすめの革を紹介します。
基本的には耐久性の高い革を選ぶと、長年愛用できるので経年変化を楽しめます。
牛革
牛革は革の繊維が均一で耐久性がとても高い革です。
繊維が均一というのは場所によって革が薄いところなどがないので、ある一部分から劣化してそこから崩れるようなことがないということです。
使い続けることで日光での日焼け、皮脂などでの色あせなど正にこれが「経年変化」と呼べるような変化を起こします。
馬革
馬革は牛革に比べて薄いですが、その薄さの割りに耐久性があります。
しかも、馬革の中でもコードバンと呼ばれる革は耐久性が牛革のおよそ5倍です。
コードバンは馬のお尻から作られる革で、とても希少とされています。
その希少性からも「革のダイヤモンド」と称されるほど光沢があり、使えば使うほどに独特の質感が出ます。
鹿革
鹿革はオイルが多量に含まれているレザーで、革の中でも比較的水に強いです。
革製品は長く愛用していると湿気によるカビやひび割れに悩まされることもありますが、鹿革であればその問題も解決できます。
また、牛革と同じく繊維が均一なので、耐久性にも優れています。
※その他、革財布の種類について詳しく知りたい人はこちらの記事へ。
>> 財布の革は7種類!革専門店が革の特徴とおすすめのブランドも紹介!
おすすめの革財布ブランド3選
ここからはお話してきた色や革を元に、革財布のおすすめのブランドを紹介していきます。
1万円台で購入できるリーズナブルなブランドから5万円を越えるような少し高価なブランドまで紹介するので、あなたの予算に合わせてブランドを選んでください。
札幌革職人館
札幌革職人館は、2010年に創業されたブランドです。
「丈夫で手作りのあたたかみを感じられるモノを永く愛用していただきたい」という想いのもと、国内提携工房の熟練職人による高品質な革製品を企画・製造しています。
布や合皮などは使用せず、中まで全てオールレザー仕上げのため、革の厚みと質感をしっかりと味わえる作りです。
また、職人の腕が問われるコバの処理が丁寧に施されているため、耐久面でも安心して長く使えるのが特徴です。
高品質な商品が手頃な価格で楽しめると口コミでも人気のお店です。
イルビゾンテ
イルビゾンテは1970年にイタリアで創業された(イルビゾンテとしては1990年)ブランドです。
独自の天然牛革を使用していて、下記のようなこだわりがあります。
・2歳までの牛革だけを使用
・革が完成するまでに1カ月~2カ月かけている
・20時間の間染色タンクの中で染め上げている
これらのことから非常に人気が高いブランドとして、革好きに愛されています。
IL BISONTE (イル ビゾンテ) 日本公式オンラインストア
GANZO
GANZO(ガンゾ)は1999年に創業された日本のブランドです。
このブランドで代表的なのがコードバン(馬革)の財布です。
原皮選びから皮の加工まで、GANZOのコードバンは仕上がるまでに約10カ月もかかっています。
極めつけにアニリン染めと呼ばれる特殊な染色技術が使われており、革の表面が透き通るほどの透明感に包まれます。
他では味わえない色味なので、デザインにこだわる人にはおすすめです。
革財布の経年変化が汚く見えないようにするコツ
経年変化は人によっては「汚い」と感じることもあります。
これは単に経年変化自体が汚く感じているのではなく、メンテナンスがされておらず汚れてしまっているからだと言えます。
ここでは革財布の正しいメンテナンス方法をお伝えします。
お伝えした通りにメンテナンスをして頂ければ汚く見えないどころか、艶が出て見てるだけでも「うっとり」してしまうような仕上がりになるはずです。
ブラシで擦って光沢を出す
まずは革製品用のブラシを使って革を擦り、ホコリなどの汚れを落としましょう。
これは、この後にクリームを塗りますが、ホコリがあると汚れとして革に沈着してしまうからです。
あまり強く擦りすぎると革が傷むので、ブラシを革に乗せて少し擦るだけで問題ありません。
縫い目や革と革の段差の隙間もしっかり擦りましょう。
また、ブラシで擦ることで革の表面が整えられて傷が目立たなくなります。
タオルやクロスでクリームを塗る
次に布製のタオルやクロスで革にクリーム(オイル)を塗りましょう。
クロスにクリームを1cmほど乗せて、革全体にクリームを馴染ませていきます。
このとき、円を描くように素早く塗るとムラなく塗ることができます。
クリームは乾いた革に潤い(油分)を与え、日焼けによる過度な色の変化を防ぐことができます。
ただし、塗りすぎると色が黒くなってしまうなどエイジングに失敗してしまう恐れがあるので、月に1回程度にしておきましょう。
※クロスとは表面にきめ細かい凹凸があるタオルのようなもので、クリームなどの塗った跡を残しません。
ブラシで擦ってクリームを浸透させる
最後にまたブラシで擦ってクリームを更に浸透させましょう。
先ほどと同様に擦りすぎず、軽く表面を撫でるように擦っていきます。
クロスで塗るだけだとどうしてもクリームの塗りにムラが出ます。
例えば革の凹凸の出っ張っているところに余分にクリームが乗ってしまったり、凹んでいるところにクリームが乗らなかったりしてしまうのです。
それがブラシだときめ細かくクリームを塗ることができるので、最後の仕上げにブラシで擦ってあげてください。
日焼けさせるのはヌメ革のみにする
日焼けさせるのはヌメ革(白ヌメ革)だけにすることをおすすめします。
なぜなら白ヌメ以外の色だと、色あせてしまう可能性が高いからです。
日焼けさせるとエイジングが進むので、早くエイジングさせたい人は窓際などに革製品を置いて色の変化を楽しめます。
しかし、白ヌメ以外は染料で色を染めていて、紫外線で色が濃くなりすぎたり色褪せたりしてしまうのです。
革によってはただ置いておくだけで日焼けしてしまうので、保管方法には注意しましょう。