革製品を購入した際や使い続けている時に臭いが気になったことはないでしょうか。
消臭スプレーをかければ解決するとは限らず、間違ったやり方だと革の質が悪くなってしまう可能性があります。
今回は新品や使用している革製品になぜ臭いがつくのか、その原因と解決策についても紹介していきます。
この記事を見れば、気兼ねなくお気に入りの革製品を持って出かけられるようになります。
革製品の臭いに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
革製品の臭いの原因
臭いが気になった革のアイテムの多くが、購入したばかりか、長く使い続けていた物です。
臭い取りは原因に合わせた解決方法があるため、ケアを行う前に自身のアイテムが臭う原因について理解しておくことが重要です。
ここでは以下の革製品が臭う原因について解説していきます。
- 新品時のなめし剤の臭い
- 汗の臭い
- カビの臭い
新品時のなめし剤の臭い
購入したばかりの革製品が臭うのは、革に使用された「なめし剤」によるものです。
なめし剤とは原料となる皮の腐敗を防いで革として製品化するために使用される薬品のことです。
なめし剤には天然の植物成分であるタンニンや化学薬品の塩基性硫酸クロムがあります。
タンニンに比べると塩基性硫酸クロムの方が臭いやすいとされ、ハイブランドの商品に多く利用されているのが塩基性硫酸クロムでなめされた革です。
新品の革製品の臭いに困っている方は以下の解決策を確認してみてください。
汗の臭い
革製品は汗のような水分を吸収しやすい性質があるため、度重なる使用により汗の臭いが気になる状態になることがあります。
そのためバッグや財布、ブックカバーや靴といった手や足に触れることが多い革製品に、汗の臭いがしみついてしまう可能性があります。
足の臭いの原因物質としても知られている汗にはイソ吉草酸や酢酸といった成分があり、これらと菌が結びつくことによって臭いが発生します。
革製品についた汗の臭いに困っている方は以下の解決策を確認してみてください。
カビの臭い
長期間にわたって通気性が悪い場所に放置された革製品にはカビが生えることがあり、カビも臭いの原因のひとつです。
カビの臭いは長く使用しなかった革製品を久しぶりに使おうとしたときに気付くことが多いです。
カビの臭いの原因は2-メチルイソボルネオールやジェオスミンという物質が主な原因とされています。
両者の臭いは墨汁や土の匂いに近いとされ、低い濃度でも人が感知しやすいのが特徴です。
新品時のなめし剤の臭いの解決策
新品の革製品で悩まされるなめし剤の臭いの解決策は、陰干しです。
乾燥した日に風通しのよい場所で陰干しすることで、臭いを取り除くことができます。
直射日光に当てると革がダメージを受けてしまうため、太陽の位置の変化により日に当たってしまわないように注意してください。
似たような方法ですが、経年変化により臭いが消えるのを待つのも解決策のひとつです。
革は経年変化して色合いが変わっていくため、臭いも使っているうちになくなることが多いです。
臭いが消えるまで密閉された室内や公共交通機関などには持ち出さず、臭いが気になりにくい外に持ち出して利用しつつ、緩和されるのを待つのもおすすめの方法です。
汗の臭いの解決策
革製品についた汗の臭いにもなめし剤の臭いと同じく陰干しは有効です。
また汗の臭いに関しては、重曹を使った消臭方法も有効です。
重曹には消臭効果があるため、お茶パックに重曹を入れ、それと一緒に革製品をビニール袋に入れて放置すると消臭することができます。
放置時間は2日~7日ほどで臭いが消えるまで保管します。
靴の臭いには「グランズレメディ」という、靴にふりかけるだけでにおいが取れる防臭パウダーが有効なので興味がある方は利用してみてください。
カビの臭いの解決策
カビ臭は何をしても消すことは困難です。
そのため、解決策としては新しい商品に買い替えるしかありません。
軽いカビの場合は臭いが多少消える可能性がありますが、軽いカビの場合は見た目に影響が現れにくいため、普通の人ではカビに気づくことができません。
目に見えるカビがある場合は重症になっているため、臭いを消すのは困難になります。
※カビ臭を消すのは困難ですが、カビの落とし方については以下の記事を参考にしてみてください。
>> 革のプロが教える!革製品のカビの落とし方とカビない保管方法とは?
革製品の防臭対策
これまで解説してきたように革製品の臭いの原因にはさまざまなものがあり、それぞれについて個別に防臭対策を行うことは難しいです。
ここでは革製品の臭いの大きな原因となる「湿気」の対策について紹介し、カビの臭いを防ぐ方法を紹介します。
湿気対策のポイントは以下の通りです。
- 湿気取りを使う
- 風通しのいいところに置く
- 定期的にメンテナンスを行う
湿気対策には市販の湿気取りを置いて保管場所の湿気を取り除くことや、風通しのいい場所を選ぶことが基本的な対策です。
場所が決まり、実際に革製のバッグや靴を長期間保管する際は、「馬毛のブラシ」でブラッシングをしてホコリを落とし、新聞紙やシューキーパーを中に入れて保管しましょう。
保管時は新聞紙を入れたバッグはフックやハンガーで吊るし、シューキーパーを入れた靴は購入時の箱に入れておくときれいな状態を保ちやすくなります。
長い間放置せずに、1か月に1回は出してメンテナンスや陰干しを行うなど、放置しすぎないことも重要です。
※お手入れ方法については、以下の記事にくわしく書かれているのでこちらを参考にしてみてください。
>> 革専門店が教える!革製品を長く愛用するための正しい手入れ方法とは
まとめ
革製品の臭いの原因にはさまざまなものがあり、対策方法が変わります。
革製品の臭いが気になった際は、まずは臭いの原因が何か確認してから対策を行うとうまく消臭できるはずです。
紹介した内容で解決できない場合は、購入店や革製品のメンテナンスショップに持ち込んで相談しましょう。
本記事を参考にお気に入りの革製品を持って、気兼ねなくお出かけを楽しんでください。