革の製品を探している方は、一度は目にしたことがあると思います。
オイルレザーは見た目がツヤっとしており、しっとりとした質感なレザーであることから、人気のレザーです。
また、革といえば『エイジング(経年変化)』と思う方も多いかと思いますが、オイルレザーはエイジングを最も楽しめるレザーなのです。
そんなオイルレザーの魅力・特徴から、使用上の注意点まで詳しく説明していきます。
革製品を探している方、購入を考えている方は是非参考にしてみて下さい。
オイルレザーとは
オイルレザーとは、鞣し(なめし)を施す際にオイルをたっぷりと染み込ませた革のことです。
オイルをたっぷり染み込んでいることから、しっとりとした触り心地と、艶やかで上品な光沢があります。
さらに、エイジング(経年変化)が早く、味が出やすい革としてエイジングレザーとも言われています。
そんなオイルを沢山含み、エイジングレザーでもあるオイルレザーについてまずは説明していきます。
エイジングが早い!傷が消えやすい上質な革
オイルレザーは、エイジング(経年変化)が早く、エイジングレザーと言われるほどです。
エイジングが早く味が出やすいことから、大変人気の革なのです。
また、表面には多くの油分があるため、傷が付いたとしても、指で擦るだけでオイルが溶け出してすぐに馴染んでしまうほどです。
エイジング(経年変化)を楽しめるだけでなく、傷も消えやすいことから、丈夫で質の良い革と言えます。
柔らかくてツヤ感があるイタリアンレザー
オイルレザーとは、鞣し(なめし)を施す際に、オイルをたっぷりと染み込ませて革をより柔らかくしています。
オイルレザーの中でも、イタリアンレザーは特にオイルが多く、しっとりとした触り心地だけでなく、艶やかで上品な光沢があります。
※特にオイルが多く含まれているイタリアンレザー。イタリアンレザーついて知りたい方はこちらの記事へ。
>> 革専門店が解説!世界3大レザーと言われるイタリアンレザーとは?
オイルレザーの4つの特徴
オイルレザーは何よりも、エイジングが早く味が出やすいのが特徴的です。
「エイジングが早いと傷もつきやすい」そんなイメージがあるかもしれませんが、オイルレザーは油分が多いことから、傷がついても馴染むといった不思議な革なのです。
この章ではオイルレザーならではの魅力を4つご紹介していきます。
1ヶ月ほどでエイジング(経年変化)する
一概にオイルレザーといっても、含まれるオイルの量は種類によって異なります。
オイルの量が多く含まれる革は特にエイジング(経年変化)が早いと言われています。
その中でも特に早いものでは、1ヶ月ほどですぐに変化が出てエイジング(経年変化)を楽しむことが出来ます。
※オイルが多くない革は約半年くらいです。
エイジングが見える期間は多少前後しますが、オイルレザーは比較的エイジングが早いです。
従って「経年変化が早い=オイルレザー」と言えます。
傷が消える・馴染む
オイルレザーは、傷がついた際に消える・馴染むのも魅力の一つです。
なぜならば、オイルレザーは他のレザーに比べて、油分を沢山含むレザーだからです。
ヌメ革など、表面加工がほとんど施されていない革は、傷がつきやすい上に一度ついてしまった傷は消えにくいです。
その反面、オイルレザーは繊維や表面に油分が沢山含まれているレザーである為、傷がつきにくく目立ちにくいのです。
さらに傷がついてしまったとしても、傷が付いた部分を指で揉むことで、革に含むオイルが溶け出して馴染むので、傷を消すことが出来ます。
これは他のレザーでは難しく、オイルレザーならではの特徴と言えます。
使用していれば、引っ掻いてしまったり擦ってしまうこともあるでしょう。
そんな時も、オイルレザーであれば傷を目立ちにくくすることもできるのです。
柔らかくて、耐久性が高い
オイルレザーは鞣しを施す際に、オイルを何度も繰り返し染み込ませているので、革のしなやかさと耐久性が増します。
他のレザーに比べ、柔らかくしっとりとした質感が特徴的です。
さらに、油分が表面をコーティングしていることから、多少の油分も弾いてくれ、他のレザーに比べ水に強いレザーでもあります。
その柔らかさと耐久性から、ソファや鞄・登山靴にまで幅広く使用されているのです。
お手入れが簡単
オイルレザーは何といっても、他のレザーに比べてお手入れが簡単なのも特徴的です。
なぜならば、オイルレザーはオイルを沢山含んでおり、こまめにクリームで油分を補給する必要がない為です。
基本的には、ブラッシング(またはタオルでの空拭き)で埃や小さい汚れを落とす程度で良いです。
長期間使用している中で、見た目の乾燥が気にならないのであれば、クリームによる油分補給は必要ありません。
オイルレザーのデメリット
油分をたっぷりと含んでいるオイルレザーには、上記で紹介したように魅力は沢山ありますが、その反面デメリットもあります。
オイルが多いことにより、カビが生えやすかったり色落ちしやすかったりなど、注意しなければならない点もありますので、どんなデメリットがあるのか詳しく説明していきます。
オイルが多いほどカビが生えやすい
油分が多いオイルレザーは、保管方法を間違えてしまうとカビが発生します。
オイルレザーの中でも特に、油分の量が多いものほどカビが生えやすいのです。
一度ついてしまったカビは取り除くことが難しいため、カビが生えないよう保管には注意が必要です。
カビの原因は「汚れ」と「湿度」と言われています。
普段使用していると、気づかないうちに埃や外気の汚れなど見えない汚れも付着します。
その汚れが付着したまま、湿度の高い場所で保管をしてしまうと、カビが生えてしまうのです。
・普段からブラッシングをこまめに行い汚れを取る
・湿度の高いところで保管をしない
・専用のスプレーをし、カビを防止する
例として「レッドウィングのブーツ」は有名で、私が修理屋さんで働いていた時代、特にカビが発生して修理に持ってくるお客さんが沢山いらっしゃいました。
レッドウィングのブーツは、手で触るとベタベタするくらいオイルが多いです。
靴なので、みなさん気にせず下駄箱で収納しますよね。ですが、湿気のこもる下駄箱に保管していたことでカビが発生してしまうのです。
素人でもカビを綺麗にすることは出来なくないですが、ついてしまったカビ臭さは修理屋さんでも消すのが難しいです。
その為、上記でも説明した通り、「汚れ」と「湿度」には特に気をつけなければカビの原因になります。
色落ちに注意する
使用する上で、色落ちにも注意が必要です。
豊富なオイルが含まれていることにより、触れた場所にオイルが付くと同時に色が移りやすいのです。
水濡れや摩擦によって、服から革へ・革から服へ色落ちや色移りがおこってしまいます。
特に水濡れは、色落ち・色移りのリスクが高まるため、雨の日の使用や湿度が高く汗をかき易い日には注意が必要です。
防水スプレーを使用することで、色落ちのリスクを少しでも軽減することができますのでオススメです。
ホコリがつきやすい
オイルレザーは、油分の多いレザーであることから、他のレザーに比べホコリがつきやすいです。
それは、表面がしっとりとした質感であるため、サラッとした質感のものよりも、ホコリがつきやすいということです。
そのため、オイルレザーは特にホコリなど小さい汚れにも注意が必要と言えます。
日本で有名な4大オイルレザー
様々なオイルレザーがありますが、その中でも特に日本で有名な4大オイルレザーをご紹介していきます。
それぞれの特徴や風合いは、同じオイルレザーでも違いがありますので、是非参考にしてみてください。
エルバマット
特徴 | 染料のみで仕上げた素朴で鮮やかな発色が魅力的 |
質感 | たっぷり含んだオイルが手に吸い付くような肌触り |
鮮やかな色味は、より艶やかに、さらに深みのある色へと変化。使い始めてから変化が出るのが早い上に、長く使っても味わいがさらに出てエイジング(経年変化)を楽しめる革。 |
ミネルバボックス
特徴 | 表面にはシボ加工が施されている為、光沢は少ない |
質感 | 革本来の自然な風合いで柔らかい |
初めは艶感や光沢は少ないが、使い込んでいくことで、独特の艶感がでてくる革。 |
プエブロ
特徴 | 滑らかよりもザラザラとした表面 |
質感 | マットな肌触り |
使い続けても、繊維中の水分が抜けにくい革。初めての方でも扱いやすいのが特徴的。 |
ブッテーロ
特徴 | イタリアの染色技術で色付けされている。非常に綺麗な色&カラーが豊富 |
質感 | ハリとコシがある |
ステアという成牛のショルダー部分の硬い貴重な部分を使用している。定場の色味だけでなく、グリーンやレッドなどおしゃれな色味が豊富。 |
革専門店が教える!質の良いオイルレザーの見分け方
皆さんは、様々な種類のオイルレザーを並べられて、どれが質の良いものか見分けはつきますか?
この章では、質の良いオイルレザーの見分け方をご紹介致します。
色合い | 濃厚・透き通っている・天然な色合いである |
表面の様子 | 透明感がある |
色のムラ感 | 手作り感を感じれる・本物感・自然な感じ |
上記の様に、エイジングの違いや、レザーの風合い・色合いの違いがあります。
実際に、革専門店にいらっしゃる大半のお客さんは、正直分からない方ばかりです。
ですが、使用してみて上記の様な変化・良さに気付いてくる方々も多いのです。
その為、正直実際に使用してみないと分からないと言えるでしょう。
その中でもブランドである、エルバマットやミネルバボックスは信頼できるオイルレザーです。
オイルレザーのメンテナンス方法
オイルレザーは油分を多く含むため、基本的にはお手入れが簡単です。
他のレザーに比べて、頻繁にメンテナンスをする必要はありませんが、より美しくエイジングを楽しむためのメンテナンス方法をご紹介します。
基本的にはブラッシングを行う
オイルレザーは表面のオイルが保湿剤となるため、こまめにクリームを塗る必要はありません。
基本的にはブラッシングをオススメしています。
使用していると埃など小さい汚れも付着しますので、ブラッシングをし表面の汚れを落とすようにしましょう。
クリームで保湿をする
使い込んでいくと、どうしても革表面や内部の油分は減ってきます。
硬さを感じたり、しっとり感が減ってきたと感じたらクリームでの保湿を行いましょう。
基本的には、3ヶ月〜半年の期間で問題ありません。
札幌革職人館がオススメするオイルレザー商品
札幌革職人館がオススメする、オイルレザー商品をご紹介していきます。
二つ折り財布 コインケース付き
特徴 | 前面・背面ともに装飾を一切省き、手触りの良いオイルドレザーが全面に引き立つデザイン。カードポケットやコインルームにも贅沢にレザーを使用したこだわりのある商品です。ギフトにも大変人気のお財布です。 |
価格 | 17,600円(税込) |
4連キーケース
特徴 | 普段使いの鍵だけをコンパクトに収納できるサイズ感。シンプルなデザインで、性別・年齢を問わずに長くご愛用できるキーケースです。 |
価格 | 5,940円(税込) |
メガネケース
特徴 | 手触りの良いオイルドレザーが全面に引き立つデザイン。シンプルなデザインがポイントで、ジャケット・カジュアルどちらのスタイルも選びません。胸ポケットに入るスリムなサイズ感が人気です。 |
価格 | 6,380円(税込) |
ブックカバー 文庫本サイズ
特徴 | 手触りのいいオイルドレザーを常に手に感じることができ、革好きにはホッとできるブックカバー。革の継ぎ目のない、美しい1枚革仕立てで且つしっかりとした厚みも感じられます。 |
価格 | 5,500円(税込) |
スマートキーケース エルバマット(イタリア製レザー)
特徴 | 天然由来の原料のみで染め上げた、美しい色合いが特徴のスマートキーケース。見た目以上の収納力。ナスカンが付いているので、ベルトループやバッグに付けて持ち歩けます。 |
価格 | 7,920円(税込) |
BOX型コインケース エルバマット(イタリア製レザー)
特徴 | 天然由来の原料のみで染め上げた、美しい色合いが特徴。手の平に収まるコンパクトなコインケースです。見渡しやすいボックス型で、見た目以上の収納力があり人気の一つ。 |
価格 | 5,500円(税込) |