そろそろ革の財布がほしいけど、どの革を選べば良いか迷ってませんか?
革と言ったら「本革」くらいしかわからない人が多いかもしれません。
本革といっても「牛革」や「ワニ革」など種類がたくさんあります。
そこでこの記事では、財布に使われている主な革の種類をご紹介していきます。
革の特徴やおすすめの革もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
本革とは?
本革とは実際の動物の皮を加工して作られた革のことです。
なので「革財布がほしい」なら本革を選ぶことになります。
同じようなもので「合皮」がありますが、合皮は動物の皮が使われていないので偽物の革だと言えます。
そしてその本革には様々な種類があります。
次の章では主に財布に使われている本革をご紹介していきます。
財布に使われている革の特徴
財布に使われている革にはそれぞれ特徴があります。
革の名前 | 特徴 |
牛革(カウレザー) | 耐久性が高くて加工がしやすい |
馬革(ホースレザー) | 革がしなやか |
山羊革(ゴートスキン) | 摩擦に強い |
羊革(シープスキン) | 柔らかい手触り |
豚革(ピッグスキン) | 通気性に優れている |
ワニ革(クロコダイル) | 耐久性が牛革の10倍以上 |
ヘビ革(パイソン) | 一点ものが手に入る |
ここからは各革について詳しく特徴を解説していきます。
その特徴からあなたに合った革の種類が見つかるはずです。
牛革(カウレザー)の特徴
牛革は革財布の中で最も代表的な革です。
耐久性が高くて外見に特徴がないことから加工がしやすく、バリエーションが豊富な革と言えます。
特筆すべきは牛の性別や年齢によっても呼び方や特徴に違いがあることです。
革の呼び方 | 特徴 |
カーフ | ・生後6ヶ月以内の牛の革・生後間もないことで傷が少ない・1頭からとれる量が少なく高級 |
キップ | ・生後6ヶ月から2年以内の牛の革・皮が厚くて強度が高い |
ステアハイド | ・生後2年以上の牛の革(生後3〜6ヶ月の内に去勢)・去勢することで牛同士の争いを避けて傷を少なくしている・とれる量が多いので一番世の中に流通している |
カウハイド | ・生後2年以上の雌の牛(出産を経験済み)・雄よりも革が薄くて柔らかい |
ハラコ | ・死産の胎児や生後間もない牛の革・細かく柔らかい毛がある・とれる量が少ないため希少価値が高い |
牛の年齢が若いほど原料が貴重なので、金額が高くなる傾向にあります。
馬革(ホーススキン)の特徴
馬は牛に比べて運動量が多いので、余分な脂肪がなくしなやかな革なのが特徴です。
牛革よりも皮は薄いですが、その薄さの割には耐久性に優れています。
そして、馬革の中でも「コードバン」と呼ばれる革は、希少性と質の高さにより高級品として扱われています。
コードバンは馬のお尻からしかとれない皮を使っていて、繊維密度が牛革のおよそ5倍です。
「革のダイヤモンド」と称されるほど光沢があり、使えば使うほど独特の質感が出ます。
山羊革(ゴートスキン)の特徴
山羊革はシボと呼ばれるシワがあるので、摩擦に強い革です。
そのためポケットに財布を入れたり、荷物の多い鞄に入れたりしてもキズがつきにくいと言えます。
弾力性があって型崩れもしにくいので、財布を長持ちさせたいなら山羊革がおすすめです。
羊革(シープスキン)の特徴
羊革は柔らかい手触りで、手に吸い付くように感じられます。
羊の皮は毛の成長を支えるためのものなので、耐久性や耐摩耗性は比較的低めです。
ただそれ以上にきめ細やかな質感と肌ざわりが得られるので、革財布に使われることのある革だと言えます。
豚革(ピッグスキン)の特徴
豚革は毛穴が3つ、三角に開いていて、通気性に優れているのが特徴です。
そのため、カビにくく水に強いとも言えます。
ただし、水シミはできやすいのですぐにふき取らないといけないことだけ注意が必要です。
丈夫なのでメンテナンスが簡単で非常に扱いやすい革でしょう。
日本では牛革より安価ですが、海外では高級品としてハイブランドでも採用されています。
ワニ革(クロコダイル)の特徴
ワニ革は革製品の中でも最高級の革と言われています。
部位によって模様が異なるので、唯一無二の商品が手に入ります。
この模様は大きめの長方形を「竹斑(たけふ)」、外側の丸い形を「珠斑(たまふ)」と呼びます。
耐久性は牛革の10倍以上と言われているので、購入後手入れをきちんとしていれば何年も使用していけるでしょう。
ただし、水中生物なのにも関わらず水には弱いので、水濡れには気を付けましょう。
ヘビ革(パイソン)の特徴
ヘビ革はエキゾチックレザー(希少動物の革)の中でも、ワニ革に次ぐ高級品です。
鱗の模様が特徴的で、素材となった個体によって模様が変わるので同じ商品は1つとしてありません。
腹部なのか背中なのかでも模様が変わることから、エキゾチックレザー特有の独特な見た目を楽しむことができます。
鱗がピロピロしていて剥がれそうな感じもしますが、わざと剥がそうと引っ張っても剥がれないくらい丈夫なので安心して使用できます。
革専門店がおすすめする財布の革の種類ベスト3
財布に使われる革にはたくさんの種類があるので、正直どの革にすべきか悩む方もいるかと思います。
そんなあなたのために、革の専門家である私がおすすめする革の種類をランキング形式でご紹介します。
革製品自体、使うのが初めてなら1位の牛革を使えば間違いありません。
1位 牛革(カウレザー)
牛革はある程度の耐久性があり、値段もそこまで高くありません。
つまり、比較的安価で買えるのにも関わらず、長持ちするのです。
革製品はどうしても水に弱かったり汚れやすかったりするので、メンテナンスを定期的に行う必要があります。
もしかするとメンテナンスに慣れておらず、革を痛めてしまう可能性もあります。
なので比較的安価で耐久性のある牛革の財布を使って、メンテナンスに慣れていくのが初心者の方にはおすすめです。
2位 馬革(コードバン)
馬革の中でもコードバンは、その希少性から少し高額です。
しかし、牛革よりも約3~5倍の耐久性があることから、とても長持ちする革だと言えます。
1度買えば数年間使えるので、安価な革財布を買い換え続けるよりコストパフォーマンに優れています。
先ほどもお話した通り「革のダイヤモンド」と称されるほど光沢があり、使えば使うほど独特の質感が出ます。
気品を感じさせるだけではなく、高級感に溢れる革なので実質1位だと言っても過言ではありません。
3位 山羊革(ゴートスキン)
ゴートスキンは傷がつくのをあまり気にしなくて良い、という点でおすすめします。
革財布は鞄やポケットに入れていると、どうしても傷がつきやすいです。
オイルが多く含まれている革は揉みこむことで傷が目立たなくなりますが、完全に消えるわけではないので気になる人もいるかもしれません。
ゴートスキンはシボのおかげで傷つきにくく、傷ついたとしても目立ちません。
型崩れもしないので神経質にならず使える実用的な革だと言えます。
革財布おすすめのブランド
使いたい革の種類が決まったら、次に気になるのは革財布のブランドかもしれません。
革と同様にブランドもたくさんあるので、おすすめのブランドを3つご紹介します。
10,000円台で買えるブランドから50,000円以上するブランドまでまとめたので、今後財布を買うときの参考にしてください。
※もっとブランドについて知りたい方はこちらの記事へ。
>> 革の専門家おすすめの財布ブランド17選!失敗しない革の選び方も紹介
札幌革職人館
札幌革職人館は、2010年に創業されたブランドです。
「丈夫で手作りのあたたかみを感じられるモノを永く愛用していただきたい」という想いのもと、国内提携工房の熟練職人による高品質な革製品を企画・製造しています。
布や合皮などは使用せず、中まで全てオールレザー仕上げのため、革の厚みと質感をしっかりと味わえる作りです。
また、職人の腕が問われるコバの処理(革の裁断面のこと)が丁寧に施されているため、耐久面でも安心して長く使えるのが特徴です。
高品質な商品が手頃な価格で楽しめると口コミでも人気のお店です。
GANZO
GANZO(ガンゾ)は1999年に創業された日本のブランドです。
このブランドで代表的なのがコードバン(馬革)の財布です。
原皮選びから皮の加工まで、GANZOのコードバンは仕上がるまでに約10カ月もかかっています。
極めつけにアニリン染めと呼ばれる特殊な染色技術が使われており、革の表面が透き通るほどの透明感に包まれます。
他では味わえない色味なので、デザインにこだわる人にはおすすめです。
ココマイスター
ココマイスターは2011年に創業されたブランドです。
「世界に通用する日本製ブランドをつくる」という企業理念のもと、全て日本製で作られています。
ココマイスターの財布は日本の職人さんが手作業で製造しています。
日本製かつ手作りに魅力を感じる方はココマイスターがおすすめです。
しかも価格が日本製・手作りの割りにリーズナブルなので、手に入りやすいのも魅力の1つです。
近年急激に人気になってきたブランドなので要チェックです。
革財布を長持ちさせるコツ
革財布には長持ちさせるためのちょっとしたコツがあります。
この長持ちさせるコツを掴んでいないと、財布は劣化が進んでしまいます。
特に植物タンニンなめしのようなエイジングが進みやすい革では、日焼けしたり汚れてしまったりもしてしまいます。
革財布を手に入れた後は、ここに書いてある3つのことに気を付けてみてください。
定期的にメンテナンスをする
革財布を長く愛用したいなら、定期的なメンテナンスを欠かさずに行いましょう、
目安としては1か月に1度。
頻繁に行ってしまうと逆に革を痛めることになるので、1か月に1度で問題ありません。
①ブラッシングをしてほこりを取り除く
②クリームを塗りこんで保湿する
③陰干しをする
④革用のクロスで乾拭きする
以上の手順を踏んでメンテナンスをしてあげましょう。
中身を入れすぎない
財布の中身を入れすぎると、型崩れの原因になります。
特に小銭とカード類は中身が圧迫されやすいので気を付けましょう。
また、型崩れだけではなく革を痛めてしまう可能性もあります。
同じ場所ばかり擦れて黒ずみのようになるので、注意が必要です。
小銭とカードが多くなる場合は財布を分けることも考えてみてください。
キズや汚れをすぐにふき取る
財布にキズや汚れがついたら、すぐにふき取るようにしましょう。
革は少しのキズなら揉みこむことで、そのキズを目立たなくすることが出来ます。
オイルの量が多い革ほど揉みこむとキズが目立たなくなるので、気になる人は毎日チェックして適度に揉みこみましょう。
汚れは水に濡らして絞った布やタオルでふき取り、風通しの良い場所で乾かします。
その後、オイルを塗って保湿をしてください。
放っておくと汚れが落ちにくいので、気が付いたときにふき取るようにしましょう。