革のプロが教える!革製品のカビの落とし方とカビない保管方法とは?

カビが生えた財布を拭き取る画像

革靴やバッグなど、長期間保管していた革製品を出した時に見かける白い点のようなものはカビです。

カビはさまざまな物に発生して厄介な存在ですが、革製品でも繁殖しやすいため対処が必要になります。

革製品のカビの落とし方はネットで多数紹介されていますが、革の色落ちやシミがついてしまう方法が多く見受けられます。

そこで今回は革の見た目を損なわずにカビを落とす方法と、きれいにした後もカビが発生しない保管方法を紹介します。

記事を読めば大切な革製品をよみがえらせてきれいに保つことができます。

ぜひ参考にしてみてください。

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革のカビは斑点状にできる

革のカビのイメージ画像

カビは一見ホコリや汚れのように見えますが、革製品に発生する時は斑点状に生えるため汚れと見分けることができます。

カビは点のような形でポツポツと発生し徐々に大きく広がっていきます。

長期間同じところに保管していたという状況で、斑点状のホコリのようなものが付着していたらカビであると判断しましょう。

しかし、見た目上は斑点などがなくてカビていないように見えても、実はカビているということも多いです。

そのため、カビているかどうか見分ける一番の良い方法は「臭い」です。

カビは独特の土や墨汁のような臭いがあります。

恐らくすぐにわかる臭いなので斑点があるかどうか確認するだけではなく、異臭がしないかどうかもチェックしてみましょう。

革製品にカビが発生する3つの原因

革製品にカビが発生するのは、3つの原因があります。

いずれかの条件が満たされなければカビの繁殖は防げるので、原因を理解してカビが生えないように保管方法を見直しましょう。

湿度60%以上の湿気

湿気がある場所の画像

カビは湿度60%以上になると繁殖し始めます。

カビのこどもである胞子(ほうし)は空気中に常にただよっており、湿度が高くなると活発に繁殖します。

気象庁のデータを見ると、日本の平均湿度は1、2月を除いて60%を超えており、ほぼ1年中カビが発生しやすい湿度です。

参考サイト:https://www.data.jma.go.jp/

下駄箱や押し入れなど空気の動きが少ない場所は湿度が保たれやすいため、扉をあけたままにして空気を入れ換えたり、除湿剤を活用して湿度をコントロールしましょう。

20℃~25℃の温度が繁殖しやすい

温度計の画像

カビの繁殖が活発になる最適温度は20~25℃です。

温度25℃の時に湿度が75%を上回ると急激に繁殖が進み、90%を超えるとわずか2日ほどで目に見える状態までカビが育ちます。

5℃〜35℃前後の環境でカビは発生してしまうので、温度の面で対策するのは難しいです。

ですので、湿度の対策が重要になります。

汗や汚れなどの栄養源

革製品についた汚れの画像

カビは革製品についた汗や皮脂、ホコリなどを栄養分にして繁殖します。

そのため、保管する前に革の表面の状態をきれいに保つことが重要になります。

ブラッシングや革用クリーナーで掃除を行い、保湿後に陰干しといったメンテナンスが必要です。

使用する機会がなくても月1回はお手入れする習慣を付けるとカビの発生を防ぐことにつながります。

※革製品のお手入れについて詳しく知りたい方はこちらを参考にしてみてください。
>> 革専門店が教える!革製品を長く愛用するための正しい手入れ方法とは

革製品についたカビの落とし方

革製品に発生してしまったカビ菌を退治することはできますが、カビの斑点や臭いを完全に除去するのは難しいです。

また、間違った手順で行うと革の風合いを損なってしまうので、プロの知識から最善の除去方法をお教えしますので参考にしてみてください。

必要なものや手順を紹介し、大切な革製品にダメージを与えないようにできるだけ落とす方法を説明します。

以下にカビ落としに必要なものを紹介します。

・ふきん2枚

・モゥブレイモールドクリーナー

・ラナパーレザートリートメント

次に手順を説明していきます。

ふきんでカビを落とす

カビが生えた財布を拭き取る画像

まずは固くしぼった濡れふきんで拭いてカビを落とします。

カビの胞子がついている可能性があるので、使用したふきんは処分しましょう。

またカビの胞子を吸い込まないように、マスクをして屋外で作業しましょう。

専用クリーナーを使用する

専用クリーナーでカビ落としをする画像

モゥブレイモールドクリーナーを少量ずつスプレーし、乾いたふきんで磨く。

モゥブレイモールドクリーナーは除菌成分が高い「有機ヨード」が含まれており、カビを細胞膜から破壊する効果があります。

革専用ですので安心して革製品に使用できます。

おすすめの方法として、モールドクリーナーを布で拭き取った後、再度モールドクリーナーを吹きかけビニール袋に密閉して1日置くと除去効果がアップします。

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特徴

皮革の繊維の奥に根付いたカビの菌を除去する、
皮革製品用の高品質な防カビ&除去剤です。

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日陰で乾燥させる

日陰の風通しのいい場所で半日ほど乾燥させます。

革用クリームで仕上げ

手入れの画像

最後にラナパーレザートリートメントを専用スポンジで薄く塗り広げて革の表面を保護して完了です。

ラナパーレザートリートメントは天然の蜜蝋成分を中心として作られた保革クリームで、カビを防止する効果もあります。

革に必要な油分を補い表面をコーティングしてくれるため、革製品を傷やシミから守ってくれます。

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ラナパー レザー トリートメント 250ML
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特徴

撥水効果があり、防水スプレーなども不要。有機溶剤を使用していないため、匂いもありません。

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やってはいけないカビの落とし方

ネット上で革製品のカビの落とし方を見かけますが、革への影響を考えていない方法が多く掲載されています。

この記事ではプロが行う正しいカビの落とし方を紹介しています。

ここからはネット上でよく見かける間違った方法が革製品にどのようなダメージを与えるのか説明していきます。

以下の方法は決して行わないようにしてください。

エタノールを使う

エタノールの画像

カビを殺菌する目的でエタノールを使うと、色落ちやシミが起こります。

エタノールは革を着色している染料に影響を与えて、色落ちや変色の原因になります。

また、油分を奪うため革を保湿するために必要な油分が失われてしまうため、乾燥した部分がシミになってしまいます。

重曹を使う

重曹の画像

天然の成分で汚れ落としによく使われる重曹を水に溶かしてスプレーし、カビを落とす方法がありますが、こちらもシミや色落ちが起きるおそれがあります。

水は革にとってシミの原因になるため避けるものであり、重曹は染料に影響を与えるおそれがあります。

また、革に残った重曹が乾いて結晶化する可能性もあるためおすすめできません。

水洗いをする

たらいに入った水の画像

3つ目は洗剤などと一緒にジャブジャブ水洗いしてしまうという方法ですが、シミになったり乾いた後に革が変形し元に戻らなくなります。

基本的に革は水でダメージを受けるものなので、カビを落としたい一心で水洗いしてしまうと取り返しがつかなくなるので行わないようにしましょう。

どうしても洗いたい場合は「サドルソープ」という革専用の石鹸を利用すれば革を乾燥させずに、水洗いをすることができます。

購入へは下記リンクをご覧ください。

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革製品にカビを生えにくくする保管方法

不織布の袋に入った革製品の画像

革製品にカビが生えないように保管するには、風通しのいい日陰の場所に不織布の袋に入れて保管しましょう。

カビを生やさないようにするには、湿度が高い所を避け、汗やホコリを落としてお手入れをした状態で保管するのがベストです。

また、傷がつかないように保護する必要があるので、通気性のいい不織布の袋の中に入れて保管しましょう。

収納袋は以下のサイトで購入できます。

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まとめ

革はデリケートな部分があり、カビを落とすことばかり考えて対処してしまうと元通りにならなくなる場合があります。

身近なもので落とそうとすると、ダメージを受けてしまうことがあるため革専用のアイテムを使用して落とすのが一番安心です。

なにより、普段からお手入れをしてカビを生えさせないことが一番大事ですので、「革製品にカビを生えにくくする保管方法」で紹介したように保管するのがおすすめです。

ぜひ、この機会に革製品をカビから守る方法を実践してみてはいかがでしょうか。

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