ヌメ革の製品を購入したから手入れをしたいけど、やり方がわからず困っていませんか?
実はヌメ革は、数ある革の中でも手入れが重要な革。
手入れをすることで、長持ちするのはもちろん、ヌメ革の醍醐味でもあるエイジングを綺麗にすることが可能です。
まず、ヌメ革の製品を購入したら使う前にやっていただきたいのが、日光浴です。
使う前に日光浴をしてあげることで、革に含まれている油分が滲み出て、革表面をコーティングしてくれます。
この日光浴をすることでヌメ革の製品が長持ちするんです。
そして、月に1度、革クリームを使ったメンテナンスも行いましょう。
日常的には、帰宅したらブラッシングをしてあげることで、黒ずみなどの汚れ防止になり、ツヤも出てきます。
そこでここでは、ヌメ革の最初にやる手入れ方法や月に1度の手入れ方法などを失敗しないようにステップ毎に解説していきます。
ぜひ参考に、大切なヌメ革の製品の手入れをしてみましょう。
ヌメ革とはタンニン鞣しで作られた革のこと
ヌメ革がどんな特徴がある革なのかなんとなく分かるけど、詳しく知っているという人は少ないかもしれません。
ヌメ革は、動物の皮を柔らかくして革製品として使えるようにする工程である「鞣し(なめし)」を植物の液体成分である「タンニン」を使用し、タンニン鞣しをした革のことです。
革本来の滑らかな手触りや、使い続けることでエイジング(経年変化)を楽しむことができます。
素材の味を楽しむことができ、エイジングさせることで他にはない、世界に1つだけの物にできるのがヌメ革の大きな特徴です。
しかしヌメ革は、革本来の素材を楽しめる反面、外部の影響をダイレクトに受ける素材でもあります。
他の革より水の影響を受けやすく、傷がつきやすいため、十分な手入れが必要です。
ただ、手入れをすることでどんどん愛着が沸き、綺麗にエイジングしていく過程を楽しめるのがヌメ革の醍醐味です。
※ヌメ革について詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。
>> ヌメ革とは?ヌメ革の特徴とエイジングに失敗しないメンテナンス方法
ヌメ革を使う前に最初にやる手入れ方法
ヌメ革の商品を買って使う前に最初にやる手入れ方法は、「日光浴」です。
ヌメ革(白ヌメに限る)を最初に日光に当てておくと、革に含まれている油分が滲み出て、表面をコーティングしてくれる効果があります。
使用前にこの工程をすることで、シミや傷ができにくくなるのでヌメ革の持ちがよくなります。
そこでここでは、ヌメ革を使い始める前に最初にやる手入れ方法を詳しく紹介していきます。
使う道具とおすすめ商品
ヌメ革を使う前に最初にやる手入れで使う道具は、「柔らかい布・馬毛 (うまげ)ブラシ・防水スプレー」の3つです。
レザーショップや雑貨店などでも購入することができますが、ここで紹介している商品を購入すれば、間違い無いのでおすすめです。
日光浴をさせる
まずは、ヌメ革の製品を部屋の日が当たるところに置いて日光浴をさせます。
ただし、白ヌメ限定の話です。
白ヌメ以外は染料が使われている可能性もあり、色あせてしまうからです。
日光浴させる期間は、夏場なら表裏それぞれ2日、冬場なら表裏それぞれ5日を目安に行いましょう。
1日中、日の当たる場所で放置し、日が沈んだら「柔らかい布で拭く」の過程で布で拭いてブラッシングを行い、また次の日に日の当たる場所に放置します。
この作業を行うことで革内部にあるオイル分が出てきて表面をコーティングしてくれて、革が飴色に変化していきます
※白ヌメ以外のヌメ革は「馬毛ブラシでブラッシングをする」から始めましょう。
※革へのダメージが強くなるため直射日光は避けましょう。
柔らかい布で拭く
日光浴をさせたら柔らかい布で、革表面を優しく拭いてあげましょう。
柔らかい布で表面を拭いてあげることで、1日放置していたホコリや汚れを取り除くことができます。
馬毛ブラシでブラッシングをする
日光浴をさせて柔らかい布で拭いたら、馬毛ブラシで軽くブラッシングをします。
ブラッシングをしてあげることで、ヌメ革の表面を綺麗にすることができます。
「日光浴をさせる→布で拭く→ブラッシングをする」を一つのサイクルにして、夏場なら表裏それぞれ2日、冬場は表裏それぞれ5日行いましょう。
防水スプレーをかける
表裏、それぞれ日光浴を終えたら、最後に防水スプレーを吹きかけます。
玄関など換気されたところで、新聞紙にヌメ革の製品を置き、スプレーを30cmほど離して全体的にバランスよく吹きかけましょう。
防水スプレーをしてあげることで、水や汚れのトラブルを最小限に抑えることができます。
※防水スプレーについて詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。
>> おすすめの防水スプレー6選!実は使ってはいけない素材もある!
月に1回のヌメ革の手入れ方法
ヌメ革に革クリームを使った手入れを頻繁にするのはやめましょう。
革クリームを使った手入れは、月に1度で十分です。
手入れをやりすぎると革に油分が溜まり、革のハリが無くなったりカビの原因になってしまいます。
なので、頻度は月に1度程度で、月初や月末など日にちを決めてやってみましょう。
月に1度の頻度でヌメ革を手入れすることで、長く愛用することができ、綺麗なエイジングをしてくれます。
ここでは、月に1度行う、ヌメ革の革クリームを使った手入れ方法を紹介していきます。
使う道具とおすすめ商品
ヌメ革の月に1度の手入れに使う道具は、「柔らかい布・馬毛ブラシ・革クリーム・防水スプレー」の4つのアイテムを使います。
方法もとても簡単で、ブラシでホコリを落とし、クリームを塗って最後に防水スプレーをかけるだけです。
馬毛ブラシでホコリや汚れを落とす
まずは、馬毛ブラシや柔らかい布で、革に付いているホコリなどを落とします。
特に、角や革の折り目などにホコリやゴミが溜まりやすいです。
そしてブラッシングをする時は、力を入れすぎないように、撫でるように優しく行いましょう。
革クリームを薄く塗る
ブラッシングをしてホコリを取ったら、革クリームを塗りましょう。
柔らかい布に「米粒程度」の革クリームを取り、革製品全体に塗り込んでいきます。
革クリームを塗りすぎてしまうと、革に油分が溜まり型崩れやカビの原因になります。
必ず米粒程度の少量から塗り広げ、足りない場合に少量追加するのがポイントです。
※革クリームついて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
>> 定番のおすすめ革クリームはこれ!使い方も合わせて紹介!
乾いた布で乾拭きする
革クリームを塗り広げたら、革に付いている余分な革クリームを取り除くために、乾いた布で乾拭きをします。
力を入れずに優しく撫でるように革全体を乾拭きしましょう。
軽くブラッシングをする
乾拭きをしたら、ブラシで優しく全体をブラッシングをします。
革クリームを塗ったあとにブラッシングしてあげることで、クリームが革に馴染み、綺麗なエイジングに繋がります。
力を入れずに、革全体を撫でるようにブラッシングしましょう。
防水スプレーをかける
最後に防水スプレーをかけます。
玄関など換気されたところで、新聞紙にヌメ革の製品を置き、スプレーを30cmほど離して全体的にバランスよく吹きかけましょう。
防水スプレーをしてあげることで、水や汚れのトラブルを最小限に抑えることができます。
日常的な手入れはブラッシングをする
ヌメ革の製品を使用して、自宅に帰ってきたら、片付ける前にブラッシングをするのがおすすめです。
ブラッシングは、革についた細かいホコリや汚れを落としてくれます。
日常的にブラッシングをすることで、黒ずみなどの汚れを防ぎ、綺麗なエイジングにすることができます。
他にも、日常的なブラッシングは、軽い傷が目立たなくなり、革にツヤが出てきます。
綺麗なエイジングを目指している人は、使ったらブラッシングをする習慣をつけるのがおすすめです。
ブラッシングは、力を入れずに優しく革全体を撫でるように行います。
その際、ブラシを持つ指などが革にぶつからないように注意しましょう。
ヌメ革が濡れてしまった時の手入れ方法
革製品は水に弱く、とくにヌメ革は水の影響をとても受けやすい革です。
ヌメ革は水を吸収しやすく、そのままにしてしまうと、水シミや水膨れ、カビの原因になり、最悪の場合使えないほどのダメージになることがあります。
なので、雨などで濡れてしまった場合は、すぐに対処が必要です。
ここでは、もしヌメ革の製品が濡れてしまった場合の手入れ方法を紹介します。
濡れたらすぐに水分を拭き取る
濡れてしまったらまずは、すぐに乾いた布などで水分を拭き取りましょう。
濡れた状態で放置してしまうと、水シミや水膨れ、カビが発生する原因にもなります。
そのまま放置せずに、できるだけ速く水分を拭き取るのを心掛けましょう。
日陰で自然乾燥させる
水分を拭き取ったら、革はデリケートな状態なので日光には当てず、風通しの良い日陰で自然乾燥しましょう。
乾いた時に水シミができてしまった場合は、固く絞ったタオルで革全体を濡らしてから自然乾燥してください。
こうすることでシミが目立ちにくい状態になります。
ブラッシングをして革クリームを塗る
軽くブラッシングをして革クリームを塗ります。
革クリームを塗る時は、濡れてしまった部分だけでなく、全体に塗り広げるようにしましょう。
クリームの量は、米粒程度を柔らかい布に取り、全体に広げます。
クリームの量が多いと、型崩れやシミの原因になるので、必ず少量を塗り広げるようにしましょう。
防水スプレーをかける
乾かして、クリームを塗ったら、最後に防水スプレーをかけます。
玄関など換気されたところで、新聞紙にヌメ革の製品を置き、スプレーを30cmほど離して全体的にバランスよく吹きかけましょう。
防水スプレーをしてあげることで、水や汚れのトラブルを最小限に抑えることができます。
ヌメ革に傷ができた時の手入れ方法
革の中でも、ヌメ革はキズが付きやすい革です。
付いてしまった傷を綺麗に消すことはできませんが、クリームで保湿してあげると目立たなくすることができます。
そこでここでは、ヌメ革に傷が付いてしまった時の手入れ方法を紹介します。
ブラッシングしてホコリや汚れを落とす
革クリームを塗る前に、まずはブラッシングをして革表面のホコリや汚れを落とします。
力を入れずに、優しく撫でるようにブラッシングをしましょう。
軽い傷であればこれだけで傷がなじんで目立たなくなることもあります。
革クリームを塗って傷を馴染ませる
革クリームを米粒程、乾いた布に取り、傷がある部分を中心に全体的に塗り広げていきましょう。
革クリームを塗って保湿してあげることで、傷が馴染み目立たなくなります。
浅い傷の場合は、ブラシや布で優しく擦るだけで目立たなくなることもあります。
深い傷の場合は、革クリームを少量ずつ塗り込み最後に柔らかい布で馴染ませてあげると、傷をかなり目立たなくさせることが可能です。
防水スプレーをかける
革クリームを塗って保湿させて、傷が目立たなくなったら最後に防水スプレーをかけます。
玄関など換気されたところで、新聞紙にヌメ革の製品を置き、スプレーを30cmほど離して全体的にバランスよく吹きかけましょう。
防水スプレーをしてあげることで、水や汚れのトラブルを最小限に抑えることができます。
ヌメ革を保管するときは風通しのいい場所に
ヌメ革の財布など毎日使うものであればそこまで気を付けなくてもいいですが、バッグなどシーズン毎に片付ける物は保管方法も大切です。
誤った保管方法をしてしまうと、カビや変色などのリスクが高くなります。
大切なヌメ革の製品を保管する時は、「高温多湿を避けて、風通しのいい日陰」に保管するようにしましょう。
クローゼットに保管したいなど、どうしても風通しのいい場所などに保管できないこともあると思います。
そんな時は、週に1度程度、定期的にクローゼットから出して、風通しのいい場所に置いてあげるとカビ発生のリスクを避けることができます。
保管をする前に、ブラシでホコリやゴミを丁寧に落とし、乾いた布で汚れを落とします。
そして、購入した時についてきた布や袋に入れて保管しましょう。
これで、カビの発生を防ぐことができるので、長期的に保管する場合は、ぜひ参考にしてください。
※革製品のカビについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
>> 革のプロが教える!革製品のカビの落とし方とカビない保管方法とは?