革製品を探していてブライドルレザーという言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
ブライドルレザーとは頑丈な牛革に加工を行い耐久性を高めた革で、馬具に利用することを目的に作られた革のことです。
今回はブライドルレザーの特徴やおすすめ商品、お手入れ方法について解説していきます。
本記事を読めばブライドルレザーの魅力や、お気に入りのアイテムが見つかるはずです。
ブライドルレザーに興味を持った方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。


送信用メッセージは修正しないで、そのまま送信してください。

ブライドルレザーとは

ブライドルレザーとは厚みのある牛革をタンニン(植物性成分)に数か月漬けて、さらに蜜蝋や牛脂を繊維の内部まで浸透させ強度を高めた革です。
名称にある「ブライドル」は頭絡(とうらく)と呼ばれる馬の頭に装着する馬具を意味する言葉で、手綱(たづな)とつながる馬の操作に重要なパーツのことを指します。
重要な馬具に利用される機能的な素材のブライドルレザーは頭絡といった馬具の他、さまざまな革製品に利用されています。
ブライドルレザーの特徴

ブライドルレザーは強度を活かして馬具に利用される他、革としての美しさから財布やバッグといったさまざまなアイテムにも利用されています。
ここではブライドルレザーの特徴や革としての魅力について、以下のポイントを中心に解説していきます。
- 表面の白いブルームが特徴的
- 経年変化が楽しめる
- お手入れが簡単
- 水への耐性がある
それぞれについて見ていきましょう。
表面の白いブルームが特徴的

ブライドルレザーの表面は特徴的で、白い筋状の模様が見られますが、これは「ブルーム」と呼ばれる繊維にしみ込んだ油脂成分が表面に浮き出ているものです。
ブルームは使用しているうちに手の摩擦や体温で少しずつ落ちていき、徐々に美しいツヤへと変化していきます。
ブルームは革の強度を高めるため、表面に浮き出るほど大量に蜜蝋や牛脂を浸透させていることがわかるブライドルレザーならではの特徴です。
経年変化が楽しめる

ブライドルレザーの経年変化はブルームが馴染んで、白い模様が消え表面にツヤが生まれるのが特徴です。
ブライドルレザーのアイテムは強度が高いため長く使用できるので、使い込むうちに色の変化が生まれ、自分だけの経年変化が楽しめるのが魅力です。
特徴的な白いブルームは使用し始めて1〜3日ほどで消えるため、購入当時の見た目から大きく変化することを理解しておきましょう。
お手入れが簡単

ブライドルレザーは油脂成分が多く含まれており、メンテナンスの手間がかからない素材です。
手間がかからない素材ですが、お手入れをすることでエイジングをより楽しめるようになります。
後ほど詳しいお手入れの方法を紹介しますが、使用頻度によりますがお手入れの頻度は基本的に2カ月に1回程度(一般的な革は月1回程度)でいいとされています。
革製品のお手入れが面倒だと感じる方にとって、魅力的な性質ではないでしょうか。
水への耐性がある

一般的に革は水に弱いという性質がありますが、ブライドルレザーは水への耐性があります。
革表面に施された蝋引き加工により、ロウ分(ブルーム)が水を弾き、革内部への浸透を防ぐのです。
表面のブルームが取れた後でも撥水性はある程度保たれるため、短時間の雨や手汗などで革が傷む心配が少なく、安心して使用できます。
ただし、長時間水に触れるとシミや水膨れの原因となるため、濡れた際は速やかに乾いた布で拭き取るようにしましょう。
ブライドルレザーとコードバンの違い

高級素材であるブライドルレザーとコードバンの違いが気になるという方が多くみられるので、ここでは両者の違いについて解説していきます。
コードバンとは馬のお尻の部分の皮を採取し、なめらかな質感を持つコードバン層まで削りだして仕上げられる素材のことです。
まずは2つの特徴を表にまとめました。
種類 | ブライドルレザー | コードバン |
採取される動物 | 牛 | 馬(臀部、お尻の部分) |
強度 | 非常に高い | 高い |
希少性 | 高い | 非常に高い |
特徴 | 表面にブルームが見られる | スムースできめ細かい表面 |
採取される動物の種類に大きな違いがあり、ブライドルレザーは牛ですがコードバンは馬です。
両者とも強度が高いですが、馬具として堅牢度を高めるために作られたブライドルレザーの方が強度が高いといえます。
希少性はコードバンの方が採取量や加工の面から高いとされ、馬のお尻の革をコードバン層と呼ばれる層が現れるまで石で削るというグレージングを行って仕上げられます。
馬の限られた部分から採取して、特定の層に達するまで削るという点からもわかるように、素材として流通量が少なく希少性が高いです。
加工方法の違いから表面の仕上がりは油脂が浮き出るブライドルレザーに対して、コードバンは磨かれてスムースな表面であるという違いがあります。
どちらが優れているというわけではないため優劣は付けられませんが、両者とも革として高級素材であることは間違いありません。
ブライドルレザーのおすすめ商品3選

ブライドルレザーに興味を持った方の商品選びの参考になるように、素材の特徴を活かした以下のおすすめ商品を紹介します。
- Cramp(池之端銀革店) コンパクトウォレット UKブライドルレザー ミニ財布
- 土屋鞄製造所 ブライドル ファスナーロングパース
- ソメス バロン ベルト
ひとつずつ見ていきましょう。
cramp(池之端銀革店)|コンパクトウォレット UKブライドルレザー ミニ財布

本商品はイギリスのブライドルレザーを使用した、収納性にこだわったミニ財布です。
上質な革に真鍮製の金具パーツがワンポイントとなって、スタイリッシュな仕上がりとなっています。
外付けのコインポケットが大きく開く仕様なので、小銭が取り出しやすく機能的なアイテムです。
価格:23,650円(税込)

- 特徴
-
カードケースと同等のサイズ感でありながら、お札、小銭、カード全てしっかりと収納できる使い勝手抜群のミニ財布です。
土屋鞄製造所|ブライドル ファスナーロングパース

本商品は上質なブライドルレザーを使用した、ラウンドファスナータイプの長財布です。
素材はイギリスの「J&E セジュウィック社」が仕立てている伝統的なブライドルレザーを使用しており、重厚感のある光沢が楽しめます。
カードが12枚収納できる収納力も魅力的な商品です。
価格:55,000円(税込)
商品ページを見る
ソメス|バロン ベルト

一枚革のブライドルレザーで作られた22mm幅の革ベルトです。
細身のベルトなので上品なパンツスタイルやデニムとの相性抜群のアイテムです。
価格:33,000円(税込)
商品ページを見る
ブライドルレザーはひび割れに注意
ブライドルレザーは強度の高さを持っている反面、非常に硬く、曲げるとひび割れやすいという性質を持っています。
バッグや財布の折り曲げる部分が乾燥すると、ひび割れを起こしやすくなるので、定期的に油分を補給して状態を保つことが重要です。
革の表面がザラザラしてきたと感じたら、乾燥が進んでいるサインであるため、その場合は早めにメンテナンスを行いましょう。
ブライドルレザーのお手入れ

はじめの方でもお伝えしましたが、ブライドルレザーのお手入れは頻繁に行う必要はありませんが、2カ月に1回程度を目安にお手入れを行いましょう。
お手入れの方法をこれから紹介しますが、まずはブライドルレザーのお手入れに必要な物をまとめました。
すべてAmazonなどの通販で購入可能ですが、以下の札幌革職人館のWEBサイトでも購入できます。
ブラッシング

汚れやホコリの上からクリームを塗ってしまわないように、馬毛ブラシで革の表面についたホコリや汚れを落とします。
縫い目や革の段差部分が汚れが溜まりやすいところなので丁寧に掃除するのがポイントです。
革を傷つけないように、優しくブラッシングしましょう。
保湿して浸透させる

汚れが落とせたら、保革用クリームを柔らかい布に少量ずつ取って全体に塗り広げます。
この時、円を描くように素早く塗っていくとムラなく馴染ませることができます。
ブラッシングしてから、30分〜1時間ほど日陰で放置して浸透させましょう。
乾拭きで仕上げ

クリームを馴染ませることができたら、新しく用意した柔らかい布で乾拭きします。
表面に残ったクリームを落として、表面のべたつきを防ぐのが目的です。
仕上げにブラシで磨き上げることで、革の隙間など布で拭けなかったクリームも馴染ませることができ、ツヤのある仕上がりになります。
※牛革のお手入れ方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
>> 牛革の手入れをわかりやすく解説!正しい保管方法も紹介!
まとめ
ブライドルレザーは馬具に利用される伝統的な素材であり、独特のブルームや強度の高さから多くのブランドの革製品に利用されています。
強度がある反面、ひび割れが起こりやすいという性質があるため、きれいな状態で長く愛用するために定期的にメンテナンスを行いましょう。
興味を持った方は独特な風合いの変化を楽しめるブライドルレザーのアイテムを利用してみてはいかがでしょうか。