気づいたら革靴にひび割れのようなものを見つけてどうすればいいか悩んでいませんか?
実は、そのひび割れを放って置くと直せないほどの深いものになる可能性があります。
しかし、革靴のひび割れはある道具を使うと自分でも簡単に補修することが可能です。
そんな革靴のひび割れはクラックと呼ばれていて、乾燥などが原因で革靴の履きジワ部分がクラックしてしまいます。
クラックを自分で補修するには、革クリーナーで汚れを落とし、サンドペーパーでクラック部分をヤスリがけして、靴クリームを塗れば補修完了と、とても簡単です。
また、革靴がクラックしているということは、革靴の状態がよくありません。
クラックさせないためにも、そして革靴を長く愛用するためにも、定期的なメンテナンスやケアが不可欠です。
そこでこの記事では、革靴のクラックの原因や補修方法、クラックさせないための対処方法などを紹介しています。
ぜひ参考に革靴のクラックを補修してみてください。
革靴のクラックとはひび割れのこと
クラックとは、英語表記で「crack」と書き、割れやヒビ、裂け目という意味があります。
革靴のクラックは、ひび割れを指していて、履きジワが深くなることでひび割れる現象のこと。
クラックがあると、見た目が悪くなってしまうのはもちろん、防水性が悪くなるなど靴としての機能も低下してしまいます。
まだ浅いクラックであれば、自力で補修することができます。
しかし、深すぎるクラックは、修理に出さないと直すことができなくなってしまい、最悪の場合修理すらできなくなってしまうかもしれません。
大切な革靴を長く愛用するためにも、日頃のケアでクラックが起きないようにする必要があります。
革靴がクラックする3つの主な原因
革靴は、本革という動物の皮で作られていることが多く、本革はデリケートな素材です。
そのため、革によくない状態が続くとクラックができてしまいます。
革靴がクラックする原因を知ることで、予防することが可能です。
ここでは、革靴がクラックする主な原因を紹介します。
※本革について詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。
>> 革の種類は大きくわけて2種類!革の専門家がおすすめの革も紹介
乾燥が最大の原因
革靴のクラックの最大の原因は乾燥です。
革靴に使われている本革は、乾燥するとクラックを始め、様々なトラブルに繋がります。
乾燥した革は繊維がとても割れやすくなり、乾燥した状態で使い続けると、結果的に履きジワがクラックしてしまいます。
そうならないためにも、定期的にケアをして、革に潤いを与える必要があります。
クリームの塗りすぎやクリームの蓄積
革靴のケアでクリームを塗りすぎてしまうのも、クラックする原因です。
革にはある程度の通気性が必要で、クリームを塗りすぎてしまうと革が窒息したような状態になり、クラックしてしまう原因になります。
また、塗ったクリームを落とさず、更に重ねてクリームを塗っていくと見えないクリームの層が蓄積されてそれがクラックの原因になることもあります。
クリームが蓄積されると、革表面に残ったクリームが硬化することで柔軟性が低下し、さらに革表面の硬化したクリームがひび割れをするのがクラックの原因の1つです。
また、新しいクリームを塗っても、固まったクリームが邪魔をして革内部まで浸透しない状態になり、ケアをしているようでできていない状態になります。
そうならないためにも、手入れの際は適量のクリームを塗り、定期的に古いクリームを落として正しいケアをしましょう。
※革靴とクリームの相性についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
>> ミンクオイルは革靴に使うべきではない?正しいメンテナンスとは?
革靴の寿命
革靴はしっかりメンテナンスをすることで長く愛用することができます。
しかし、革靴は永遠に使えるものでは無く必ず劣化します。
長年使っている革靴がクラックしてしまうのは、靴自体の寿命というのも1つです。
特に靴は、他の革製品と違い、道路からの照り返しや雨などの影響をもろに受けやすい革製品でもあります。
革靴の寿命はいつか必ずきますが、定期的なメンテナンスでその寿命を伸ばすことは可能です。
愛用の革靴をクラックせずに長く使っていくために手入れをしましょう。
革靴のクラック(ひび割れ)を自分で補修する方法
革靴のクラックを自分で補修するには、サンドペーパーでクラック部分を削り、靴クリームを塗れば補修することができます。
しかし、サンドペーパーで革靴自体を削る分、誤った方法でやってしまうと補修が難しくなります。
ここでは、革靴のクラックを失敗なく、自分で補修する方法を紹介します。
ぜひ参考に、クラックを補修してみてください。
革靴のクラック補修に使う道具
革靴のクラックを補修するためには、いくつか道具を揃える必要があります。
馬毛ブラシ | 靴のホコリやチリを払う |
山羊毛ブラシ | 靴磨きの仕上げに使用 |
靴クリーナー | 革靴の汚れを落とす |
目が細かいサンドペーパー | クラック部分を削る(1000番以上) |
自分の靴の色の靴クリーム | 革靴に潤いを与えて色むらを調整する |
クロス | クリームを塗布したり、乾拭きをしたりする |
防水スプレー | 水や汚れが着くのを防ぐ |
上記表のアイテムを使用し、革靴のクラックを補修することができます。
靴クリームは様々な種類がありますが、自分の靴の色に合わせたクリームを購入するようにしましょう。
ネットショップなどで実際の色がわからない場合は、レザーショップなど実際にお店に足を運んで、店員の方に聞くのが無難でおすすめです。
使用道具は、楽天などのネットショップで購入できるのはもちろん、ロフトや東急ハンズ、レザーショップなどで購入することができます。
馬毛ブラシでブラッシングする
まずは、馬毛ブラシで革靴をブラッシングして、革靴表面のホコリやチリなどを落とします。
かなり軽度なクラックは、このブラッシングだけでも目立たなくなることがあります。
ブラッシングは、革製品の手入れの基本になるので必ず行うようにしましょう。
靴クリーナーで汚れを落とす
ブラッシングをしたら、靴クリーナーで汚れを落とします。
綺麗なクロスに靴クリーナーを少量取り、革靴の汚れた部分に薄く塗り広げ、その後クロスの乾いた部分で汚れを拭き取っていきます。
靴クリーナーは、革の汚れはもちろん、蓄積している靴クリームも取り除くことができるので、普段の手入れでも定期的に行いましょう。
サンドペーパーで表面をヤスリがけする
革靴のクラックしている部分を目立たなくするために、サンドペーパーで削ります。
サンドペーパーは、目が細かい1000番以上のものから使うようにしましょう。
いきなり目が荒いものを使ってしまうと、無駄な傷がついてしまう可能性があります。
目が細かいサンドペーパーで、クラックが目立たなくなるまで、少しずつ削っていきます。
クラックが目立たなくなるほど削ったら、クロスなどで削ったカスを取り除きましょう。
また、あまり目立たないクラックの場合は、サンドペーパーで無理に削る必要が無く、ブラシとクリームで目立たなくなります。
靴の色にあった靴クリームを塗る
自分の靴の色にあった靴クリームをクロスに少量取り、革靴全体に円を書くように塗り込んでいきます。
靴クリームの量は、米粒2粒〜3粒程度の大きさの量で十分です。
塗りすぎてしまうと均一に塗れなかったり、量が多すぎることでシミの原因にもなります。
靴クリームは様々な種類がありますが、必ず自分の靴の色にあったものを選ぶようにしましょう。
山羊毛ブラシでブラッシングする
靴クリームを塗ったら、仕上げに山羊毛ブラシでブラッシングをします。
山羊毛ブラシでブラッシングをすることで、靴クリームを均一に馴染ませることが可能です。
ここまでの工程で、クラックが目立たなくなります。
防水スプレーをかける
一通りの工程が終わったら最後に防水スプレーをかけましょう。
防水スプレーを革靴から約30㎝ほど離して、靴全体に吹きかけます。
革靴に防水スプレーをかけることで革靴の汚れを防止することが可能です。
防水スプレーをかけたら、風通しのいい日陰で乾燥させて完成。
革靴にクラックがある場合は、以上の工程で補修しましょう。
※防水スプレーについて詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。
>> おすすめの防水スプレー6選!実は使ってはいけない素材もある!
革靴をクラックさせないための対処方法
クラックは、革靴の状態がよくない時に起こります。
自力で直せたとしても、同じ状態で使い続けていると必ずまたクラックしてしまいます。
何より日々手入れをしてクラックさせないことが重要です。
ここでは、今後革靴をクラックさせないための対処方法を紹介します。
ぜひ参考に日々のケアを行いましょう。
靴を脱いだらブラッシングをする
家に帰ってきたら、革靴をしまう前に軽くブラッシングをしましょう。
革靴に付いたホコリやチリは、革の潤いを奪い、乾燥の原因になってしまいます。
帰ってきたらブラッシングをする習慣をつければ、革靴を長持ちさせることができます。
定期的にメンテナンスをする
革靴は定期的にクリーナーとクリームを使ってメンテナンスしてあげましょう。
革は乾燥が苦手で、クリームで潤いを与える必要があります。
また、クリーナーで汚れや蓄積した古いクリームを取り除くことも重要です。
メンテナンスの頻度は、多すぎるのも逆効果で、月に1度の頻度がベスト。
決まった日に月に一度メンテナンスをする習慣をつけることで、愛用の革靴を長持ちさせることができます。
※革製品のメンテナンスや、革クリームの種類について詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。
>> 定番のおすすめ革クリームはこれ!使い方も合わせて紹介!
シューキーパーに入れて保管する
シューキーパーとは、革靴の内部に入れて、シワを伸ばし型崩れを防止してくれるアイテムです。
革靴を履いていない時はシューキーパーを入れて保管することで、シワを伸ばしてクラックを防止することができます。
また、シューキーパーによっては、除湿や除菌、芳香剤の役割があるものもあります。
クラックさせないためにも、革靴を長く使うためにもシューキーパーを入れて保管するようにしましょう。
毎日同じ靴を履かないようにする
毎日同じ靴を履き続けると、靴がくたびれてしまいます。
そのため、理想は3足ほどの革靴をローテーションして使うのがベストです。
1日履いた革靴は、1日寝かせるくらいがおすすめ。
3足も用意できない方は、2足の靴をローテーションして使ってみましょう。
乾靴を適度に休ませることで、クラックする可能性が低くなり、革靴が長持ちします。
自力で直せないクラックは修理依頼をしよう
この記事では、革靴のクラックの原因や補修方法を紹介しました。
あまりひどく無いクラックであれば紹介した方法で補修することができます。
しかし、大きくひび割れてしまってるものなど自力で直すのが難しいクラックもあります。
その場合は、革靴修理を行っているお店で修理依頼をして修理してもらいましょう。
ネットで「革靴 クラック(ひび割れ) 修理 地域名」で検索すると、修理をしてくれるお店が見つかります。
クラックの程度にもよりますが、2,000円〜3,000円程度で修理が可能です。
自分で直せないほどのクラックや自分で直すのに自信が無い方は、靴の修理屋さんに依頼をしてみましょう。