革の種類は大きくわけて2種類!革の専門家がおすすめの革も紹介

動物の革とわかる画像

革について調べていると様々な用語が出てくると思います。

植物タンニン鞣し革や牛革、オイルレザーなど革にもたくさん種類があるのだろうか?と困惑している方は多いのではないでしょうか?

実際に私もあなたと同じように検索をしていて、非常にわかりづらいなと感じました。

例えば牛革もオイルレザーも同じ革についてのことですが、牛革は動物の革の種類のことオイルレザーは仕上がった後の革の種類のことを指します。

なので「革の種類」ということで一括りにはできません。

そこで、この記事では革の種類について革の専門家である私が分類ごとに分けて解説していきます。

上から順に読むことで革の種類が知れて、どんな革を選べば良いのかわかるはずです。

革はなめし方によって種類が変わる

革はなめし方によって主に3つの種類に分類されます。

1,植物タンニンなめし革

2,クロムなめし革

3,混合なめし革

動物の皮はそのままでは腐敗して硬くなってしまうので、商品としては成り立ちません。

そのため、動物から剥いだ皮に薬剤などを染み込ませて、より丈夫な「革」へと変化させる「なめし」という過程があるのです。

なので、牛革の中でも植物タンニンなめしの牛革と、クロムなめしの牛革があるといった感じで理解してもらえるとわかりやすいと思います。

植物タンニンなめし革

植物タンニンなめし革とは、樹木の皮や幹などから抽出したタンニンという成分を使って皮を加工したなめし革のことです。

自然の成分(タンニン)を使っているので、原皮(動物の皮そのもの)へのダメージが少なく傷みにくい丈夫な革が出来上がります。

植物タンニンなめしの革の画像

また、エイジング(経年変化)といって革の色や、柔らかさなどが変化していく過程を楽しめる革でもあります。

同じ商品でも使う人によって変化がまったく違うので、世界に2つとない自分だけの商品が手に入ると言えます。

クロムなめし革

クロムなめし革とは、塩基性硫酸クロムという化学薬品を使って皮を加工したなめし革のことです。

クロムなめし革の画像

短期間で大量生産できることから、クロムなめし革は植物タンニンなめし革よりも安価なことが多いです。

柔軟性、耐久性、染色性に優れているので様々な製品に使われています。

混合なめし革

混合なめし革(コンビネーションなめしとも言う)とは植物タンニンなめしとクロムなめしの2つの工程を行った革のことです。

混合なめし革の画像

お互いの良いとこ取りをして、1つ1つの欠点を補えるなめし方と言えます。

例えば、植物タンニンなめし程エイジングはしないものの、ある程度エイジングをしてクロムなめしの特徴でもある発色が良い革を作ることが可能です。

しかし、各々の良いところ全てを最大限引き出せるわけではないので選ぶときには注意が必要な革です。

革の素材は2種類ある

植物タンニンなめし革もクロムなめし革も、その素材となる革は大きく分けて2種類あります。

一般的な革

エキゾチックレザー

それぞれについて解説していきます。

一般的な革

一般的な革とは「家畜として飼育された動物の革」のことです。

動物の革とわかる画像

牛や豚がこの革に当てはまります。

革の凹凸が少なく、肌触りも滑らかな特徴があります。

また、流通量が多いので、この後に紹介するエキゾチックレザーより安価なことが多いです。

丈夫で耐久力があることから、様々な製品に加工されて使われています。

エキゾチックレザー

エキゾチックレザーとは希少動物の革のことです。

エキゾチックレザーの画像

ヘビやワニがこの革に当てはまります。

特徴的な皮を持つ動物が多いので、独特な模様や肌ざわりをしています。

家畜と違って安定的に皮を手に入れることができないので、一般的な革よりは高価な製品が多いのも特徴です。

これはワシントン条約によって野生動物の取引が制限されていることも関係しています。

一般的な革の種類

ここからは一般的な革の種類や特徴についてご紹介していきます。

一般的な革は主に下記の7つがあります。

革の名称特徴
牛(カウレザー)外見に特徴がなく加工や染色がしやすい
豚(ピッグスキン)通気性に優れていてカビにくい
馬(ホースハイド)形状が変わりにくい
鹿(ディアスキン)耐水性が高い
ヤギ(ゴートスキン)耐久性が高くて傷つきやすい商品に使われている
羊(シープスキン)断熱性が高くて防寒能力に長けている
水牛(バッファロー)耐水性が高い

それぞれ見ていきましょう。

牛(カウレザー)

牛革は食肉の副産物から生まれることから、最も供給量が多い革だと言えます。

本革の画像

外見に特徴がないので加工や染色がしやすく、様々なものに使われています。

そして、牛の性別年齢によっても呼び方や特徴に違いがあるのも牛革の魅力の1つです。

革の呼び方特徴
カーフ・生後6ヶ月以内の牛の革・生後間もないことで傷が少ない・1頭からとれる量が少なく高級
キップ・生後6ヶ月から2年以内の牛の革・皮が厚くて強度が高い
ステアハイド・生後2年以上の牛の革(生後3〜6ヶ月の内に去勢)・去勢することで牛同士の争いを避けて傷を少なくしている・とれる量が多いので一番世の中に流通している
カウハイド・生後2年以上の雌の牛(出産を経験済み)・雄よりも革が薄くて柔らかい
ハラコ・死産の胎児や生後間もない牛の革・細かく柔らかい毛がある・とれる量が少ないため希少価値が高い

全体的に耐久性が高いので、扱いやすい革だと言えます。

豚(ピッグスキン)

豚革は日本国内で唯一自給自足できている革で、牛革の次に供給量が多い革です。

ピッグスキンの画像

毛穴が3つ、三角に開いていて、通気性に優れているのが特徴です。

そのため、カビにくく水に強いとも言えます。

ただし、水シミはできやすいのでそこだけ注意が必要です。

さらに摩耗にも強いことから、カバンや靴の中敷に使われます。

日本では牛革より安価なものとして扱われていますが、海外では高級品としてハイブランドでも採用されています。

馬(ホースハイド)

馬革は運動量が多くて脂肪が少ないことから、皮が薄くて柔らかいのが特徴です。

ホースハイドの画像

皮自体は柔らかくともあまり伸びない性質を持っているので、形状が変わりにくいとも言えます。

耐久性もあることからジャケットやレザーパンツに使われています。

中でも希少価値の高いお尻の革である「コードバン」は繊維が細かく空気も水も通しません。

しかし、コードバンは水に濡れると表面が盛り上がる「水ぶくれ」が発生する可能性があります。

そのため水に濡れないように気を付けなければなりません。

鹿(ディアスキン)

鹿革は繊維が細かく手触りが柔らかいです。

耐水性に優れているのでレンズ磨きや自動車磨きにもよく使われています。

さらに昔は足袋にも使われていたほど革の柔軟性も高いです。

油分を多含むことで乾燥しづらく、手入れが簡単なのも特徴です。

ヤギ(ゴートスキン)

ヤギ革は表面に独特な凹凸(シボ)があります。

ゴートスキンの画像

革自体は薄いものの傷や水、湿気に強く耐久性が非常に高いのでグローブなど傷などがつきやすい環境の商品に使われることが多いです。

ちなみに大人のヤギの革をゴートスキン、子ヤギの革をキッドスキンと呼びます。

キッドスキンはゴートスキンに比べて更に薄く、高級靴などに使われています。

羊(シープスキン)

羊革は断熱性が非常に高く、防寒能力に長けている革です。

これは羊革がデッドエアを含んでいるからです。

デッドエアとは動かない空気のことで、寝袋やダウンジャケットをイメージするとわかりやすいでしょう。

外気に触れない空気が羊皮の中にあることで、その空気が暖まり次第に暖かく感じてくるのです。

ただし、耐久性が低いので注意が必要な革です。

水牛(バッファロー)

水牛革は水の中に生息する水牛の革を使っている革です。

バッファローの画像

耐水性に優れていて、皮が厚く丈夫で傷がつきにくいのが特徴です。

牛革のような柔らかさと、独特の凹凸(シボ)があり様々な商品に使われています。

エキゾチックレザーの種類

エキゾチックレザーは一般的なもので下記の5つがあります。

名前特徴
ヘビ(パイソン)個体や部位によって模様が違う
ワニ(クロコダイル)最高級品で耐久性が高い
トカゲ(リザード)模様がギラギラしていない
ダチョウ(オーストリッチ)クイルマークという独特な模様がある
サメ(シャークスキン)耐水性に優れている、濡れても縮みにくい

こちらもそれぞれ特徴や使われている商品についてご紹介していきます。

ヘビ(パイソン)

ヘビ革はエキゾチックレザーの中でも、ワニ革に次ぐ高級品です。

鱗の模様が特徴的で、素材となった個体によって模様が変わるので同じ商品は1つとしてありません。

腹部なのか背中なのかでも模様が変わることから、エキゾチックレザー特有の独特な見た目を楽しむことができます。

パイソンの画像

鱗がピロピロしていて剥がれそうな感じもしますが、わざと剥がそうと引っ張っても剥がれないくらい丈夫なので安心して使用できます。

よく財布やベルトなどでヘビ革が見られます。

ワニ(クロコダイル)

ワニ革は革製品の中でも最高級の革と言われています。

野生のワニはほとんどがワシントン条約によって捕獲できないこと、素材となる革が1つの個体からあまりとれないこと、革の形状に凹凸があり裁縫が難しいことなどが理由として挙げられます。

要するにワニ革は貴重なのです。

クロコダイルの画像

ワニ革もヘビ革と同じように部位によって模様が異なるので、唯一無二の商品が手に入ります。

しかも、耐久性は牛革の10倍以上と言われているので、購入後手入れをきちんとしていればずっと使っていけるでしょう。

財布やカバンなど高級品に使われてることが多いです。

トカゲ(リザード)

トカゲ革は希少な革なのにも関わらず、比較的安価な値段で手に入れることができます。

ヘビ革と同等くらいの値段だと思って頂けると良いと思います。(それでも一般的な革よりは高価)

リザードの画像

鱗の目が細かいので模様を主張しすぎることがないので、あまりギラギラした模様が好きではないがエキゾチックレザーの商品を使いたいという人におすすめです。

トカゲ革も財布などに使用されることが多いです。

ダチョウ(オーストリッチ)

ダチョウ革は世界的に見てもとても希少な革です。

素材となるダチョウがそもそも少ないことに加えて、1頭からとれる商品に使えるほど良い革の量がとても少ないからです。

そしてダチョウ革の特徴として「クイルマーク」という独特な模様があります。

オーストリッチの画像

この模様がある革をとることが難しいので、とても希少なエキゾチックレザーとして人気を集めています。

また、ダチョウ革は牛革の耐久性の5倍以上だともされていて、とても丈夫かつ軽いです。

そのため財布やバッグなどに使われています。

サメ(シャークスキン)

サメ革は筋繊維が密で丈夫なので、傷がつきにくい革です。

シャークスキンの画像

サメには毛根がないので水を通しにくく、濡れても他の革とは違って縮みにくいです。

そのため、水にも強く耐久性に優れた革だと言えます。

新品の状態では細かい凹凸(シボ)があって少しザラザラした質感をしていますが、使い込むほどツヤが出てきます。

革の仕上げの種類

革は動物の皮をなめして、最後に仕上げをすることで出来上がります。

仕上げでは革の表面を保護したり、染色したりする作業が様々あります。

その仕上げ方によって革の種類が違ってくるのです。

ここではその仕上げの種類についてご紹介していきます。

オイルレザー

オイルレザーとは、皮をなめす際にオイル(油分)をたっぷり染み込ませた革のことです。

本革の画像

オイルが他の革よりも多く染み込んでいることから、しっとりとした触り心地と、艶やかで上品な光沢があります。

さらに、エイジング(経年変化)が早く、味が出やすい革としてエイジングレザーとも言われています。

オイルが多く含まれているので傷がついたとしても揉みこむことで軽い傷なら消えてしまいます。

※革製品を使用する際の醍醐味である、エイジング。エイジングについて知りたい方はこちらの記事へ。
>> 【保存版】革エイジング(経年変化)とは?失敗しない方法とメンテナンス

エナメルレザー

エナメルレザーとは、革の表面をエナメル樹脂でコーティングした革のことです。

エナメルは元々、革を守るコーティングとして開発されたので傷や汚れに強い特徴があります。

動物の皮が傷ついていたとしてもエナメルで隠せるので、大量生産するのに向いている仕上げ方法です。

シュリンクレザー

シュリンクレザーは特殊な薬品で革を縮めた革のことです。

日本語でシュリンクは「縮める」という意味があります。

本シュリンクの画像

革を縮めることで「シボ」と言われる凹凸ができます。

このシボのおかげでシュリンクレザーは傷が目立たず、長い間使っても新品と同じような外見で使うことができます。

あのエルメスのバーキンにもシュリンクレザーが使われているので、とても人気の高い革だと言えるでしょう。

ブライドルレザー

ブライドルレザーはロウ(蝋)を牛革に塗りこんだ革です。

ブライドルレザーの画像

元々は馬具に使われていて、ロウが塗りこまれていることで繊維を引き締めて耐久性を高くしています。

特徴的なのは、革の表面にロウが染み出して白い粉が吹いているように見えることです。

この白い粉を「ブルーム」と呼び、使えば使うほど粉がなくなって光沢が出てきます。

ヌメ革

ヌメ革は植物タンニンなめし革の表面を何も加工していない革です。

ヌメ革の画像

通常はエナメルレザーのように表面に加工をしたり、染色をしたりしますがヌメ革は何もしていません。

そのため革本来の手触りや、本革独特の匂いを感じることができます。

エイジングしやすい革なので革の変化を楽しみたい方にはおすすめの革です。

銀付き革

銀付き革は、皮の「銀層」というものがついている革です。

銀層は表皮のすぐ下でなおかつ最も外側にある部分のことを言います。

そしてこの革の表面は「銀面」と呼ばれています。

皮の表層を使っているので動物の皮本来の模様、毛穴や肌触りをそのまま楽しめます。

スエード

スエードはなめした革の裏側を、サンドペーパーなどを使って起毛(毛を立たせる)させた革です。

スエードの画像

一般的には豚の皮が使われています。

豚は傷が多くて銀面(皮の表)が弱いので、スエードで使われることが多いです。

スエードは起毛させることで柔らかい手触り、独特の光沢感があります。

水分や汚れに弱く、防水スプレーなどの工夫が必要です。

ヌバック

ヌバックはスエードとは逆で革の表面(銀面)を起毛させた革です。

牛の皮を使っていて毛足は短めなので、手触りは柔らかくもしっかりとしています。

ヌバックもスエードと同様で水分や汚れに弱く、防水スプレーは必須でしょう。

牛革を使うことからスエードよりも高価なことが多いです。

型押し

型押しは凹凸のある金版で革に高温で高圧なプレスをかけて、革に立体的な模様をつける仕上げ方です。

型押しの画像

革に凹凸の模様をつけることで傷が目立ちにくくなるので、扱いやすい革になると言えます。

エキゾチックレザーであるワニ革などの模様に似せて作ることも可能で、コストを抑えつつも高級感のある模様が作れます。

ガラスレザー

ガラスレザーは革の表面を削り、合成樹脂でコーティングしたものです。

ガラスレザーの画像

皮をなめした後にガラス板などに貼り付けて乾燥させることから「ガラスレザー」と言われています。

表面を合成樹脂で覆っているので水分や傷に強く、メンテナンスがとても簡単な革です。

比較的安価で手に入れやすいので、手を出しやすい革でしょう。

革製品ごとにおすすめの革も紹介

ここからは革のプロである私が、製品ごとにおすすめの革をご紹介していきます。

革にはそれぞれ特徴があるのでその製品に適したものと、そうではないものがあります。

例えば、あなたは靴が欲しいとして、水に濡れることが多いとします。

それなのに水に弱い革を選んでしまうと、すぐにダメになってしまい後悔するでしょう。

買って後悔しないためにも、ぜひ参考にしていただければと思います。

革小物

革小物を購入するなら(財布、ベルト、文具)牛革がおすすめです。

牛革は耐久性が高く、手入れをしやすいからです。

牛革の財布やベルトの画像

特に財布は使用する回数が多いので、長年使うなら耐久性の高い牛革が適しています。

牛革は安価なものもあるので、購入してみてまた革小物が欲しくなったらコードバンやエキゾチックレザーなどの高級品にも手を出してみると失敗しません。

革製品はメンテナンスが大事なので、まずは牛革で革製品に慣れてみてください。

鞄も革小物と同じく牛革がおすすめです。

牛革の鞄の画像

理由としては革小物とまったく同じで、耐久性が高く鞄のように毎日使うアイテムにピッタリだからです。

ただし、牛革は水に弱い(牛革に限らず)ので鞄の場合はそこだけ注意が必要です。

もし水に濡れてしまった場合は水気を良くふき取り、陰干しするようにしましょう。

衣類

衣類は羊革がおすすめです。

ラムの衣類の画像

牛革製の衣類もありますがシルエットがゴツゴツしていたり、服が重くて肩が凝りやすくなってしまいます。

羊革であれば軽くて柔らかいので、シルエットがゴツゴツしたり肩が凝ったりもしません。

価格は羊革だと高くなりやすいですが、それ以上のメリットを感じられるはずです。

靴も牛革がおすすめです。

牛革の中でも特に「カーフ」が使われている靴は最高級品として扱われています。

牛革の靴の画像

耐久性が高く毎日履くビジネスシューズにもよく用いられています。

コードバン(馬革)や羊革の靴もありますが、メンテナンスが難しく牛革より水濡れにも弱いです。

牛革の靴に一般的に使われている「ステアハイド」も比較的安価でおすすめなので、購入する際は店員の方にどの革が使われているのか確認してみてください。

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