革好きにおすすめのエゾシカ革の特徴と魅力|注目されるその背景とは

鹿革の画像

北海道に生息する「エゾシカ」の革は革製品として機能性が高く、本州にいる鹿の革より高値で取引される素材です。

注目され始めているエゾシカですが、個体数の増加による食害や交通事故の発生が社会問題になっています。

本記事ではエゾシカ革の特徴や魅力、革として活用されることになった背景を交えてお伝えしていきます。

エゾシカ革の製品に込められた特別な思いについて理解できる内容なので、一味違った革製品が欲しいという方はぜひ参考にしてみてください。

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エゾシカとは

エゾシカの画像

エゾシカとは国内に生息する「ニホンシカ」の一種で、北海道のみ生息しています。

7種類いるニホンシカの他の種類は約90kg以下であるのに対し、エゾシカは約140kgと非常に大きい種類のシカです。

体毛は夏が茶色で、冬は灰褐色に変化し、おしりの部分は季節を問わず白色です。

体が大きいことから革として利用する面積も大きいため、革の素材として他の種類より利用しやすいとされています。

エゾシカ革の特徴

鹿革の画像

エゾシカ革の以下の特徴について、解説していきます。

  • 軽くしなやかな革質
  • 水に強く型崩れしにくい
  • 雄鹿と雌鹿で革の質が異なる
  • なめしは2種類
  • 革としての価値は高い

軽くしなやかな革質

鹿革の素材感がわかる画像

エゾシカをはじめとしたシカ革は、革のなかでもっとも軽く柔らかな羊革であるラムレザーに近く、軽量でしなやかな質感を持った素材です。

軽くしなやかでありながら、力が高く滑らない革質であり、航空機のパイロット用手袋の素材として活用されています。

※ラムレザーについて詳しく知りたい方は、以下のリンクの参考サイトを見てみてください。

参考サイト:羊革(シープスキン)の特徴 |革鞄・革小物のPORCO ROSSO(ポルコロッソ)

水に強く型崩れしにくい

水にぬれた鹿革の画像

鹿革は一般的な本革に比べて水に濡れても型崩れしにくく、シミになりにくい性質の革です。

鹿革の繊維構造は「15/10000000mm」という非常に細い繊維と、水分を保持する機能があるコラーゲンが絡まり合ってできています。

鹿革は水に濡れて乾燥しても水分バランスが崩れにくいため、元の形状が保持されやすくシミになりません。

お手入れがほとんどいらないのは、鹿革ならではの繊維構造によるものです。

雄鹿と雌鹿で革の質が異なる

雄鹿と雌鹿の革の画像

シカ革は雄鹿と雌鹿で特徴が異なり、おもに硬さに違いがあります。

雄鹿と雌鹿それぞれの革の特徴を以下にまとめました。

種類特徴
雄鹿(バックスキン)雌に比べて革質は硬め。雄鹿は野生ならではの傷が多いため革の表面をサンドペーパーをかけて起毛加工している。
雌鹿(ディアスキン)主にシカ革として流通している種類で、質感は柔らかくなめらか。

バックスキンは雄鹿を意味する「Buck」であり、革の裏側を起毛させたスエードを指す「バック(Back)スキン」と混同されがちです。

また、見た目が似ているので間違われやすい革として「ヌバック」もありますが、こちらは主に牛革の表側を起毛させたものの事を言います。

スエードより毛足が短く、ベルベットのようにきれいに仕上がるのが特徴です。

※鹿革の特徴について詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。
>> 鹿革の特徴やなめし方について解説|おすすめアイテム8選も紹介

なめしは2種類

2種類のなめしの革の画像

「鞣し(なめし)」は腐敗を防ぐための処理のことで、シカ革では2種類の鞣し方があります。

大きく違うのは鞣しに使用する薬剤の違いです。

それぞれの特徴を以下にまとめました。

なめしの種類特徴
タンニン鞣し植物性のタンニン(渋)を使用し、工程に時間と手間がかかる。使うほどに馴染み、経年による色の変化を楽しめるのが特徴。
クロム鞣しクロム化合物といった薬品を使用した手法で、短期間で加工できる。可塑性がないため形が馴染むことはなく、経年による色の変化は少ない。

シカ革の経年変化を楽しみたい方はタンニン鞣しの製品を選ぶのがおすすめです。

※鞣しについて詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。
>> なめし革とは?3種類あるなめし革を革の専門家がわかりやすく解説!

革としての価値が高い

デシの単位を示す画像

皮革業界では革の面積の単位として「デシ(DS)」が利用されており、1デシは「10cm×10cm」という基準となっています。

革の大きさ1デシ当たりの単価によって、その革の価値が比較できます。

以下にまとめました。

革の種類1デシ当たりの単価
馬(コードバン)600~900円
高級品:180円~250円 一般的な革:65円~100円
鹿100円~120円
45円~60円
山羊60円~70円

国内に7種類いる鹿の中で比較すると、エゾシカが1デシ当たり100円、本州や南の地域にいる鹿は40〜70円であり、エゾシカが最も高価です。

革を鞣すために北海道から本州に送る必要があり、送料だけでかなりのコストがかかることから価値が高くなっています。

革本来の価値の高さに加え エゾシカを含め鹿革は、非常に柔らかくしなやかな特性があり縫製が難しく、柔らかすぎる革は縫製時にガタガタになってしまうことも多いため、技術が必要不可欠です。

鹿革が持つ柔軟性だけでなく、保温性や通気性を失うことなくそのまま活かすため、縫製作業も経験と技術を兼ね備えた職人技が必要な点も、革の価値の高さと言えるでしょう。

エゾシカの革が注目された背景

自然の中にいるエゾシカの画像

保護政策や生息環境の変化によりエゾシカの個体数が急激に増加し、さまざまな社会問題が起こり駆除の対象となりました。その結果、駆除したエゾシカを資源として革や食品として活用する活動が進められています。

ここではどうしてエゾシカの個体数増加が起こったのか、それによってどんな社会問題が起こったのかを解説していきます。

  • 個体数の増加
  • エゾシカの食害
  • 避けられない駆除と個体の処理問題

個体数の増加

北海道開拓時代の風景画像

エゾシカの個体数の増加により平成8年には約50億円の農林業被害を生み出し、その原因は昭和中期まで行われた禁猟が関係しています。

北海道開拓使による外貨獲得のための乱獲と豪雪が原因で絶滅が危惧された結果、昭和中期までエゾシカの禁猟が実施されました。

禁猟に加えて、原生林の開拓によりゾシカのエサとなる「草木が多い農地や造林地が生み出されたこと」や「天敵であるエゾオオカミの絶滅」が重なり、繁殖力が高いエゾシカは増加し続けました。

現在でも生息範囲の拡大と個体数の増加を続けています。

エゾシカの食害

エゾシカに樹皮を食べられた木の画像

エゾシカの食害は森林の木々や農作物に被害を及ぼしています。

エサが少ない冬に木の樹皮をはがして食べるため、樹皮が剥がれた木々が増加し、森林の消失が懸念されており、農作物では牧草が最も多く食害を受けている状況です。

食害の根本的な原因は個体の増加による生息密度の高さであり、生息範囲が市街地近くまで広がっているためか、鉄道や自動車との接触事故も増加しています。

避けられない駆除と個体の処理問題

エゾシカ対策の画像

食害や事故の対策はフェンスによる食害の防止と狩猟による個体数調整しかなく、駆除後の資源としての有効活用の手段が問われています。

エゾシカの食用肉としての可食部の割合は少なく、約120kg前後の個体から約25kg位の食肉しか取れません。

さらに可食部以外は全て産廃として処分することが厚生労働省のガイドラインで定められており廃棄費用には私たちの税金が使われています。

命を無駄にしないために食品としてだけではなく、可食部以外の部分を有効活用する方法が求められています。

エゾシカ革の活用で共生の道を探る

エゾシカの原皮の画像

エゾシカに関係する社会問題を説明してきましたが、生物が繁殖することはごく自然なことです。

人間社会が確立された現代では、あらゆる場所で自然とのバランスをとるのが難しくなっており、生物の個体数調整を行わざるを得ない状況です。

命を無駄にせず、有効に活用し共に生きていく道を探るために、北海道の革製品業界では製品としての活用が行われています。

エゾシカ1頭の廃棄部分にあたる約95kgのうち、皮部分(原皮)は約7〜8kgあり、命をくまなく活用するために革製品としての品質開発が進められ、共生への道づくりが進行しています。

札幌革職人館ではエゾシカ革の魅力を活かしたアイテムの制作販売が行われています。

エゾシカ革のおすすめアイテム

鹿革のアイテム画像

以下のおすすめエゾシカ革アイテムを紹介していきます。

  • 札幌革職人館 エゾシカレザー 6連キーケース
  • 札幌革職人館 エゾシカレザー ブックカバー A5サイズ
  • 札幌革職人館 エゾシカレザー ファスナーキーケース

札幌革職人館 エゾシカレザー 6連キーケース

札幌革職人館 エゾシカレザー 6連キーケース

軽量で丈夫なエゾシカ革の特徴を活かした、シンプルなデザインのキーケースです。

耐久性を上げるために内張りに牛革を貼り合わせた「二枚合わせ革」の仕様となっており、水に強いエゾシカ革の性質もあわせて毎日使用できるアイテムとなっています。

スマートキーと鍵を1、2本収納できるサイズで、紙幣が収納できるポケットも付いているため、ミニ財布としても使用可能です。

価格 : 10,340円(税込)

札幌革職人館 エゾシカレザー 6連キーケース
札幌革職人館 エゾシカレザー 6連キーケース
札幌革職人館 エゾシカレザー 6連キーケース
特徴

必要最低限の貴重品をまとめて収納できる、6連タイプのキーケース。キーフックの裏にはカード、左側のポケットには4つ折りのお札が収納できます。スマートキーの収納も可能です。

商品詳細はこちらをクリック
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札幌革職人館 エゾシカレザー ブックカバー A5サイズ

札幌革職人館 エゾシカレザー ブックカバー A5サイズ

5種類のあざやかなカラーバリエーションで展開されているA5サイズのブックカバーです。

対応している手帳やノートのサイズは「縦21.0cm×横14.8cm×厚み2.0cm」で、エゾシカ革の手触りの良さが活かされた仕上がりになっています。

特別な手入れを行わなくても硬くならない性質なので、気軽に持ち歩けるところも魅力のひとつです。

価格 : 11,880円(税込)

札幌革職人館 エゾシカレザー ブックカバー A5サイズ
札幌革職人館 エゾシカレザー ブックカバー A5サイズ
札幌革職人館 エゾシカレザー ブックカバー A5サイズ
特徴

本はもちろん、A5サイズの手帳やノートなど、用途は様々。吸い付くように手に馴染む質感をお楽しみいただけます。

商品詳細はこちらをクリック
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札幌革職人館 エゾシカレザー ファスナーキーケース

札幌革職人館 エゾシカレザー ファスナーキーケース

見た目はコンパクトですが、スマートキーもしっかり収納できる大きさのキーケースです。

エゾシカ革はお手入れ不要で経年変化が楽しめる性質のため、味わい深い革のエイジングを簡単に楽しめます。

素材にこだわり、他の人と被らないキーケースが欲しい方におすすめのアイテムです。

価格:10,780円 (税込)

札幌革職人館 エゾシカレザー ファスナーキーケース
札幌革職人館 エゾシカレザー ファスナーキーケース
札幌革職人館 エゾシカレザー ファスナーキーケース
特徴

持ち歩きに便利なナスカン付きで、バッグやベルトループにぶら下げて持ち歩けます。スマートキーの収納にもぴったりなサイズです。

商品詳細はこちらをクリック
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まとめ

エゾシカと自然の風景画像

エゾシカによる農林業被害はピーク時より減少傾向にあるものの、2009年度末までに整備されたシカの侵入を防ぐ柵の総延長距離は約3800キロにも達し、国の補助金を活用した総事業費は約140億円にも上っています。

柵のみの対応では経済的圧迫が大きく、根本的な解決にはならないため、個体数調整は今後も続くことが予想されます。

経済的負担の減少や共生のための活動を推進していくには、資源としてのエゾシカの需要や価値を高めていくことが重要です。

本記事を見てエゾシカにまつわる社会問題やエゾシカ革に興味を持った方は、実際にアイテムに触れてエゾシカ革の魅力を体感してみてください。

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